プロレスとしての丸明
丸明の吉田社長の事が実は好きだ。
おとといの「謝罪に漂うものの哀れ」で思わず、あの謝罪会見をプロレス的なアナロジーで語ってしまったが、よく考えたら、あの社長が醸し出す匂いは昭和プロレスのヒールのそれと酷似していることに気付いた。
最初に報道された従業員との口論。社長は従業員達の前で偽装の指示を喧嘩腰で否定する。
吉田社長の鮮烈なデビューだ。
次は、ただ「申し訳ありませんでした」とだけ言って逃げたわずか40秒の記者会見。
やりたい事だけやって帰っていくヒールの姿だ。
我々の興味をしっかりと次に繋ぐ。
そして、例の記者会見。
前半は下を向いての欺瞞謝罪。
中盤は笑顔での饒舌。
最後は決着をつけないまま、場外逃亡。
この展開がまさしく「昭和プロレス」なのだ。
例えば、テリー・ファンクVSザ・シーク、G・馬場VSアブドーラ・ザ・ブッチャー、A・猪木VSタイガージェットシン。
この嫌な感じの不完全燃焼感、あるいは残尿感。
がっかりさせられると同時に、また見たくなる期待感。
そして、ヒールに対するなんとも言えない愛着感。
人間にとって最も楽しい見世物は他人の感情だが、この社長の判りやすい感情の露出は、我々を必要以上にワクワクさせる。
興味津々の生立ち、成り上がりの軌跡、欲望・業の深さ、抜き差しならない社内関係、謎の明るさ等、社長の存在は、我々に様々な妄想を喚起させるのだ。
だから、吉田社長を好きにならずにはいられない。
まさむね
« 本当に憤った事件 | トップページ | 深夜タクシーなおもて天国、いわんや居酒屋タクシーをや »
「時事ネタ」カテゴリの記事
- 想像力の谷間(1999.12.21)
- 吉野川の住民投票(2000.01.25)
- 新潟の監禁事件と文学(2000.02.03)
- 新潟とモーニング娘の保田圭(2000.02.04)
- 事件と時代性(2000.02.08)
「相撲/プロレス/格闘技」カテゴリの記事
- その他紋 -笠、銭、紅葉、鞠挟み、升、鉄線、稲妻、芭蕉、柿の花...- 千利休、棟方志功、武市瑞山...(2008.11.20)
- もしかしたら次の横綱は妙義龍かもしれないと思う今日この頃(2012.07.16)
- 神が降臨したかのような日馬富士が全勝優勝した(2012.09.24)
- 別冊宝島プロレス本の危機(1995.06.25)
- 7/1全日本茅ヶ崎大会(1995.07.02)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント