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2008年6月18日 (水)

月-その観念の伝統-

倖田來未が5ヶ月ぶりに新曲を発売した。月の歌だ。



 君とよく歩いたいつもの道と私

 月と歩きながら悲しいメロディ


  「Moon Crying」(倖田來未)



月を歌うことは、「不在」を歌うこと。

不在の対象は、過去の思い出、愛しい人、そして懐かしい場所、と様々である。



一昨年から昨年にかけての大ヒット曲、「三日月」(絢香)もそうだ。



 君も見ているだろうこの消えそうな三日月

 繋がっているからねって強くなるからねって


  「三日月」(絢香)



恐らく、この月=不在の象徴という観念は、万葉の昔からそれほど変わっていない。

 

 天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも

大空に輝くあの月は、昔、春日の三笠山に出ていた月と同じ月なんだろうな)



この歌は、遣唐使船、遠い異国の地に渡った阿倍仲麻呂が日本を懐かしんで詠んだ歌だが、この月への感性が、現代のJ-POPにも生きているではないか。

こういった事こそ、伝統だ。



まさむね

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