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2008年9月23日 (火)

ロシアン力士が持っていた可能性

これは僕の持論なのだが、大相撲は約10年毎にそのスタイルを微妙に進化させる。



70年代、輪島が相撲の稽古にランニングを取り入れ、近代相撲が始まる。

80年代、千代の富士によって、筋肉相撲が全盛となる。

90年代、大型のハワイ系関取の登場で、体格相撲、全盛となる。

00年代、モンゴル相撲の多彩な投げ技、足技、スピードが、朝青龍達によって導入される。



そして、次の時代の可能性だが、僕はロシアン力士のユニークな相撲スタイルに密かに期待を寄せていたのだ。



ロシアン力士達のユニークさは、"叩きこみ率"が異常に高い事である。

大相撲協会の公式サイトの決まり手ランキングによると、若ノ鵬は27%、露鵬は24%、そして白露山に至っては31%の"叩きこみ率"を誇っている。

恐らく、それは、彼らがレスリングという相撲とは全く別の格闘技のベースを持っているという技術的特質と、手足が長く懐が深いという肉体的特質によっているのではないか。



彼らの技術がさらに磨かれていけば、その先に相撲の新しい可能性があったかもしれないと、僕は考えていたのだ。

しかし、残念なことに、今回の大麻事件で、その可能性の萌芽が摘まれてしまった。



ここからは、妄想。



大相撲は、昔から"寄り切り"や"押し出し"等、前に出て勝つ相撲こそが正しい相撲であるというイデオロギー(美学)が圧倒的に強い。

それゆえ"叩きこみ"は嫌悪されてきた。

しかし、ロシアン力士達は、その美学をどうしても受け入れられない。相撲をスポーツとしてしか捉えられない彼らには、"叩きこみ"が何故、問題なのかが理解できない。

スポーツなんだから、ルールの範囲内で、勝つのは当然ではないかと彼らは考える。ある意味、当然の事だ。



そんな兆候に対して、大相撲の美学の崩壊を懸念した協会は、彼らをひっかける。それが、大麻事件だ。



どうでしょう...有り得ないか。



まさむね

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