北京五輪を覆う座り心地の悪さ
チベット問題や、国内の人権問題等が事前から報道されていたせいもあって、北京五輪は、もろ手を上げて楽しめるという状況ではなかったにもかかわらず、大会が始まってしまうと、日本選手の活躍のに心を奪われてしまった。
でも、僕の心の中では、北京五輪そのものに対する嫌悪と日本人選手の活躍に引き裂かれた座り心地の悪さを常に感じていたんだよね。
でも、一方で、開会式で、花火がCGだったって事や、独唱した少女が口パクだった事、少数民族の衣装を着ていた子供達のほとんどが漢民族だった事をテレビは偽装五輪の象徴と言わんばかりの報道をしていたけど、そんなに過剰につっこむところか?とも感じた。
実際、シドニーやトリノでもオーケストラとかが手パクだったって事は明らかになっているけど、その時は、五輪自体が偽装だという事にはならなかったでしょ。
それにしても、テレビの報道はひどかった。
選手の活躍を、各局、例外無く、ほとんどが、家族間の人情話にからめてたよね。
姉妹関係(伊調、谷本)、家族関係(上野、太田)、息子との関係(内柴)、夫婦関係(朝原)、父親との関係(石井、浜口)...
でも情けない事に、僕自身もその一つ一つに感動してしまった。冒頭の件とは別の意味で、座り心地の悪さを感じさせられ続けたよね。
一方で、今回の五輪で圧倒的に強かった北島康介、吉田沙保里、上野由岐子の3人に関しては、本人との戦いがメインテーマだったような気がする。
アスリートとしての圧倒的な凄みは、陳腐な人情話を寄せ付けないという事なのだろうか。
まさむね
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