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2009年2月21日 (土)

スズキは風太郎のズラ方言に気を悪くしないのだろうか

「銭ゲバ」が急展開である。



父親が殺されて廃人になってしまった緑(ミムラ)が、実は演技をしていただけだったのだ。

驚いて声も出ない風太郎(松山ケンイチ)、そこに風太郎の過去を追っていた刑事・荻野(宮川大輔)が三國家に乱入。

風太郎は逮捕されてしまう。

絶体絶命の風太郎。

緑と風太郎の戦いが始まるのか...



勿論、劇中での緑と風太郎の戦いもあるが、同時にミムラと松山ケンイチという2人の実力派俳優の演技力の戦いという様相も呈してきて益々楽しみだ。

前にも書いたが、「銭ゲバ」はストーリー、構成上の矛盾は横に置いてこそ楽しめる活劇ドラマである。



さて、その一方で、僕の興味は隠れ提供スズキとドラマの関係である。

年末から年始にかけて、大量の「派遣切り」を発表して世間的に非難されたスズキが、派遣社員から社長にのし上がるドラマのスポンサーをするという大変微妙なシチュエーションが、この「銭ゲバ」を楽しむ上での影のスパイスなのである。

最近の数回は、番組前の集中CM(本日は4本)で提供クレジット無しというパターンで固定化されてきたが、今回はドラマの中にその影響が垣間見られた。



ドラマの冒頭、社長に就任した風太郎が役員会やマスコミに、派遣社員を全員、正規雇用にし、慈善事業に力を入れる旨を言い渡す。

三國造船の社会的信用が一気に高まるのだ。

しかし、その影で風太郎はつぶやく。



これは"金"のためだと。

社員は自分の金儲けのために働くのだと。



ようするに、風太郎のつぶやきを通して、「派遣切りをしない企業があったとしても、それはただ、評判を気にしの事で別に社員の幸せを考えているわけではない」という"事実"を暗にほのめかしているのではないか。

これは深読みだろうか。



さて、もう一つ気になるのが、風太郎の口癖、いやトレードマークになった感もある「~ずら」という静岡方言である。

実は、この静岡方言は、ちょうど「銭ゲバ」が少年漫画として発表された1970年~71年頃に、「細うで繁盛記」という熱川を舞台にした旅館ドラマにおけるいじわるな正子(富士真奈美)の口癖でもあり、この時期、「銭ゲバ」との相乗効果でかなりイメージの悪い言葉として定着してしまったという過去がある。



静岡県に本社を置いているスズキにしてみれば、敢えてここで、静岡方言の悪イメージを再現させるドラマ企画に乗ったというのは何故であろうか。

いろいろと考えさせられるドラマである。



前回エントリー:「銭ゲバ」は提供企業のCMも含めて楽しむドラマである



まさむね

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