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2009年2月 9日 (月)

彼等を生んだ土地の霊をも写した「ビートルズへの旅」

リリーフランキー&福岡耕造の「ビートルズへの旅」を入手。

リバプールとロンドン、ビートルズが生れて育った街の写真の数々と、フランキーさんの文章のコラボだ。

何度見ても飽きない、素晴らしい写真集である。

    ★

フランキーさんも「豊かではないけれど、その土地に漂う品格というものが漂う。」と書いているが、ビートルズ等の生家、学校、教会、町並み、バー、ライブハウス、あらゆる所に、当時の歴史を感じさせる雰囲気が残っている。

そこには、すでに彼等の姿は無いが、この写真集は、確実に影を写しているのだ。



写真の多くはなんとも重い曇り空の下にある。

これがなんともイングランドらしくていい。



そういえば、I Am The Walrus、Strawberry Fields Forever等の憂鬱なタイプのジョンの名曲の背景に感じる重い空気と通じている。



具体的に、この中で一番興味深かったのは、ジョンとポールが出会ったセントピーターズ教会の庭の写真だ。

全てが始まった場所、そこは、ただの庭ではない。

そこは墓場なのである。

想像力たくましくするならば、リバプールの土地の霊が、ジョンとポールを引き合わせたのかもしれない。

そんな事をも感じさせる奥深い写真であった。

    ★



なにか手に届かないはずだった伝説のひとつひとつを実際に確かめて、ビートルズ対する尊敬が愛しさに変っていく。

と、フランキーさんもこの本の中で述べているが、凄くよくわかる。



実は、僕も今から15年位前に、ケンブリッジに1ヶ月滞在した時に、空気の重さを大いに感じた。

イングランドには幽霊が住むと言われるのがわかるような気がしたものだ。

偶然、そこの劇場でデニーロ主演の「タクシードライバー」を観たのを思い出す。

そして、益々、憂鬱に...



Can you take me back where I came from.

Can you take me back.


僕を、元居た場所へ連れ戻してくれるかい。僕を元居た場所に...



Cry baby cryのエンディングのメランコリックなフェードアウトが頭から離れない。



いつになるかわからないけど、再びまた、死ぬまでにイギリスに行ってみたい。



まさむね

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