「ジャーナリズム崩壊」を実感しまくる今日この頃
最近のマスメディアに対する不信感は高値安定の感がある。
例えば、テレビのニュース番組もただ、客観的な事実だけを淡々と流してもらえればいい、あるいは、偏ったニュースの取り上げ方、解説、コメンテーターの感覚的な感想にはついていけない。
そんなふうに思っている視聴者は多いのではないか。
最近のニュースで言えば、不法入国したフィリピン人一家のマスコミ報道と普通の人々とが持った感想の乖離。
勿論、普通の人々がどう思ったかというような客観的なデータはないのではあるが、少なくともネットのブログや2チャンネルを見るかぎり、国外退去当然といった意見の方が圧倒的に多いように思えた。
一方、マスメディアでは、何故か、全番組が不法滞在フィリピン一家に同情的な論調だった。
テレビ朝日スーパーJチャンネルコメンテーターの轡田隆史氏などは、「両親が不在の間の、のり子さんの養育に関しては私達が責任を持つべきだ」と言っていた。
この「私達」って誰の事だ。おそらく、彼は何もしないだろうことは予想がつく。それこそ無責任な発言だったのではないのか。
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また、一週間前の3月11日の金賢姫と飯塚さん達との出会い、昨日の若田さんが乗ったシャトルの打ち上げはともにマスメディアで大騒ぎだったが、2チャンネルのニュース速報+ではほとんど話題にならなかった。人々にとって本当に関心のあるニュースとマスメディアが価値があると思って選ぶニュースとの乖離が激しく進んでいるのではないか、と思わされる。
その事にマスメディアは気付いているのであろうか。
ちなみに、現時点(3月17日21:00頃)での関心はこういったところだ。(スレタイはわかりやすいように、短くしてあります)
1) 「秘書起訴で小沢氏が民主党代表辞めたら、日本の民主主義おしまい」…週刊朝日編集長★6 (797)
2) 「バスでうちの子がうるさいと注意された。幼児だからうるさいのは当たり前、注意するのはおかしい」★6 (266)
3)民主党 「麻生首相は裁判官か」「漢字読めないレベルじゃない。3権分立否定だ」国会追及へ★5 (636)
4)強姦された9歳少女が妊娠、中絶手術→カトリック大司教医師らを破門★5 (438)
5)親が「宗教上の理由で緊急輸血拒否」→即日審判で両親の親権停止&輸血、子供助かる…東日本★5 (173)
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さて、こうしたマスメディアへの不信感であるが、勿論、ネットの普及といった要因も大きいが、例えば、上杉隆氏の『ジャーナリズム崩壊』などの報道の現場からの「告発」が多くの人々の間に普及し、その考えが浸透し、共感を持たれたことも大きいと思う。
上杉氏がこの本で「告発」している記者クラブの破廉恥さ、「わかった」報道の欺瞞、メモ合わせ等の奇行、無記名記事の卑怯など、一々がもっともだ。説得力がある。
この本が出されたのが昨年の7月、あれから半年余りではあるが、彼の主張は既に広く常識として浸透している(少なくともネット上では)、その速度に驚きを禁じえない。おそらく、多くの人々が潜在的に感じていた「おかしさ」を彼が言葉にしてくれたからの普及速度であろう。
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最近、僕はテレビを見ながら同時に2ちゃんねるの実況を同時に見ている。
以下は、リアルタイムで実況を見せてくれる便利なサイトである。
みんなでテレビ実況ballooTV
多くの人が同時に何を考えながら番組を見ているのか。
また、リアルタイムにどの番組が人気がある(書き込みが多い)のかがわかる機能もあって便利だ。
みんなでテレビを見ている感じが味わえる、擬似的お茶の間体験ソフトである。
おそらく、このソフトと同じ方向に次の時代のテレビがある。それは僕の勘だ。
まさむね
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