「ホエー豚亭」という微妙に暑苦しい田中義剛の世界
青山にある田中義剛さん経営の「ホエー豚亭」に行ってきた。
時間は昼の13:00だけあって30分待ちの大行列、ようやく席に着く。
メニューにあるのはホエー豚丼と、ホエー豚丼トムチーズがけのわずか二品。
店の自信がうかがえる。
僕はホエー豚丼を注文。
まず、そこで関心した。店内は満員なのに品物がすぐに出てきたのだ。
よく見ると、丸見えの厨房では若い店員達がお揃いの黒の和風のユニフォームを着て一心不乱に肉を焼き、肉をご飯に乗せている。店の広さにしては過剰な人数、おそらく少なくとも5~6人は立ち働いているではないか。
これが品出しの早さの理由(ワケ)なのである。そして、さらに、それらの若い店員達の一生懸命さは、ここ十数年で都内にも爆発的に増えた自己実現系ラーメン店と一脈通じる「修行」「友情」「夢」を感じさせる仕組みになっているのだ。
そして、出てきた黒いドンブリには蓋がしてあるが、蓋から肉がはみ出している。
量の豊富さを演出しているのだ。
ただ、冷静に見ると、実はドンブリ自体(容器)が小ぶりなために肉がはみ出しているようにも感じられた。しかし、そのドンブリは黒く、それが店員の黒い和装とシンクロしていて店の統一感を演出しているのである。
味は、素晴らしい。吉野家の豚丼も好きだが、こっちも悪くない。勿論ホエー豚もそうだが、米粒にもこだわりを感じさせる逸品だ。
しかし、値段は1,260円。吉野家の豚丼の3.8倍である。
おそらく思い切りよく敢えて価格を高く設定することによって、商品の価値をも高めようとする意思が感じられる値付けである。
そして御会計。ここでは品出しの早さとは対照的に、モタモタ。
実は、それには理由がある。出口付近のお土産コーナーに「生キャラメル」等の自慢の商品があり、その包装を食事の会計と同時にするため、時間がかかり列が出来てしまうのだ。
人間の心理とは恐ろしい。
この行列で、せっかく並んだんだからお土産を買わないと損な気持ちにさせてしまうのだ。確かに、並んでいるお客さんもみんな商品を手に持っているではないか。僕の手にも妻への土産用の生キャラメルがあったことは言うまでもない。
さらに、その行列は店の外にまで見え、確かに繁盛演出としても完璧なのである。
★
この花畑牧場の「ホエー豚亭」では、楽しそうにしかし厳しく働く若い店員達、その店員達のお揃いの黒の和装、素早い品出しとレジの行列、少ない品揃えメニューで表現する自信、高い価格で表現する高級感等など、そこにある全てのものが「意思の力」によって創り上げられている。
その「意思」は客の心理を分析した結果に熟慮された、よく言えば「コンセプチュアル」、悪く言えば「過剰」。おそらく、それは田中義剛さんの微妙に暑苦しい田舎風味な芸風にも通じているところが面白い。店そのものに彼の人間性がそのまま表現されているのだ。
そこは、ディズニーランドを模して言うならば、まるで義剛ランドなのである。
おそらく現代日本でもっとも意思的な食堂の一つであることは間違いない。
新しいモノ好きな人、美味しいものを食べたい人、外食マーケッティングに興味のある人などは、是非、一度は行ってみるべきだと思う。
★
ちなみに、店のすぐそばには、義剛系列の別店「花畑牧場カフェ」という、こちらはピンクの電車(十勝から幸福行き)を模した立ち食いアイスクリーム屋もある。
そこには「ホエー豚亭」の食後には「花畑牧場カフェ」へという自然の流れがあった。
勿論、僕はその流れに抗えるわけもなく、そちらの店でも15分並んで生キャラメルがかかったアイスクリームをいただいた。つまり、そこでも”義剛”を楽しんだのであった。
まさむね
さすが、いろんなブログでも紹介されていたホエー豚亭。基本的に好評のようだ。
東京青山「花畑牧場 ホエー豚亭」
十勝・郷土料理 ホエー豚丼@花畑牧場 ホエー豚亭 東京 青山
ホエー豚亭 @青山
【ホエー豚亭・青山店】田中義剛がプロュース
ホエー豚亭 東京 青山
ホエー豚亭 青山
ホエー豚丼◆花畑牧場 ホエ-豚亭 東京 青山
ホエー豚亭 東京 青山
花畑牧場・ホエー豚亭 東京 青山へ行ってきました
花畑牧場 ホエー豚亭(東京 青山)
花畑牧場ホエー豚亭でホエー豚丼を食べました♪
花畑牧場 ホエー豚亭
花畑牧場 ホエー豚亭 東京青山店
花畑牧場 ホエー豚亭
あの花畑牧場のホエー豚亭が今日南青山に開店しました。
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