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2009年4月23日 (木)

太田光には自分の価値を大事にして欲しい

今週の日曜日の午後、フジテレビで「マイドキュメント」という芸能人がドキュメンタリフィルムを自分で作成し、それを公表するという番組があり、太田光が出品するというので思わず見てしまった。



かねてから、映画好きを公言し、その鋭い視線と頭の回転の速さ、問題意識の独創性などで、サブカル系芸能人としては(これは僕の頭の中の話だけど)トップを独走している爆笑問題の太田が監督するドキュメンタリ、これを見逃す手はないとチャンネルをあわせたのだ。

しかし、結果は悲惨だった。太田がただ、街に出ていろんな人にどんな映画が好きかを聞いて回るだけの映像、その中でひとり普通のおばさんとの会話が太田的には壺にハマったらしく、延々と流していたが、これはただ、太田が出ているというだけのホームビデオに毛の生えたようなシロモノであった。

おそらく、時間もお金も、アイディアも無い、ただ己の才能だけを信じて創られたかのような安易な映像は、なるほど、ゴールデンじゃ流せないなと変なところで納得させられた。おそらく、ご本人も相当不満だったに違いない。



それを見た相方の田中からはすかさず、ただ、街に出て話をしただけじゃないかと当然のツッこみ。

太田もデヘヘッとボケる。残念ながら、そこには、くだらないものを創ったこと自体をネタとして笑いをとり、芸人としての最後の一線だけは守るという醜態しかなかった。



最近、テレビ界ではなにかとドキュメンタリブームのようだ。しかし、もともとドキュメンタリというものは、本腰を入れたディレクターが鋭い問題意識を持ち、時間をかけてこそ見るに値するものが出来る。バラエティじゃ数字はかせげない、ドラマは経費がかかりすぎるということでのドキュメンタリでは、かえって視聴者の反感をまねくだけではないのか。



太田光は、今までの実績からして、僕は当代随一の才能だと思うからこそ、敢えて言いたいのだが、自分の価値を落とすような安易なことはなるべくしないでほしい。



まさむね



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