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2009年5月 9日 (土)

微妙に痛い元ロッカー達4万人が集まった青山葬儀場

清志郎の葬儀に行ってきた。

今日の青山は25℃を超えていたと思う。

現場では、3時間待ちとの情報もあり、あまりにも暑かったので、あきらめた僕は、ズルして出口から入り、仮設便所でウンコをした。写真は、便所から出た時に、携帯で撮ったものだ。

そして、その後、途中で予定を変更して青山墓地でいくつかの墓を巡り家紋を収集することにした。まことに情けない僕。

ニュースによると3万6千人以上の人が集まったという。

みんな清志が好きだったんだな。



僕と同じような中年で、

髪はちょっと長く、でも本数は微妙に少なく、

髪は染めて、でも毛根部分は微妙に白く、

眼光はするどく、でも頬に微妙に皺があって、

黒い喪服にジーンズ、でも微妙に腹が目立って...

個性的になろうとしたけど、結局...みたいな若干の痛みを心に抱いているような元ロッカーが目立った。



でも、清志郎の魂はみんなの中で生きてるんだろうな。



葬儀場でも大きな音で、清志郎の音楽が流れていたけど、みんな心の中にもそれぞれの清志郎が流れていたんだろうな。



前のエントリーでも書いた(清志郎の死。東京の西部に憧れていた時代があった僕。)けど、清志郎は、東京の西部に生まれた僕らの心情を最も近く表現してくれたロッカーだった。矢沢が成り上がりを、長渕が上京をそれぞれの物語にしてのし上ったんだけど、清志郎は、東京の西部の普通の都立高校生という、おそらく日本で最も「物語性」の少ない青春を過ごした。

だから、生き様を音楽で表現すること運命付けられたロッカーとしては、そういう意味で苦労している。意外に遅咲きなのである。

しかし、おそらく、清志郎は物語ではなく、ダンディズムという思想と歌の才能という武器で、カリスマにのし上った唯一のロッカーだ。

ダンディズムっていうのは、ボードレールの言葉で言えば、人を唖然とさせるような精神、すなわち、人に嫌われる存在を目指すっていうへそ曲がりのこと。清志郎は、自分の子供が出来たときに、「この親父、信用できないな、みたいな父親になりたい」って、笑って言っていたけど、彼の、世の中に対して常に「異和」としてありつづけようというダンディズムは、超カッコよかったよね。



でも、それでいて、清志郎の場合、人の良さが顔をのぞかせちゃうところがまたかわいいんだ。



かなりベタだけど、今日は許して。

僕が青山で、心の中で歌ってたのは、この曲「ヒッピーに捧ぐ」だ。



お別れは突然やってきてすぐに済んでしまった

いつものようななにげない朝は

知らん顔して僕を起こした

電車は動き出した豚どもを乗せて

僕を乗せて



次の駅で僕は降りてしまった

30分泣いた...








まさむね

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