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2009年7月12日 (日)

名字と出身地から家紋がわかるか ~w-inds.の家紋~

名字や出身地から家紋がわかるのかという質問をよく受ける。



勿論、100%わかるというようなことはありえないが、ある程度の確度で想像は出来る。

家紋の面白さはそういった想像を許容してくれることだ。家紋という法律とはあまり関係なく、先祖の願望や人間関係や、家柄を表現したマークを日本人は代々受け継いできた。

その事自体、ある意味、奇跡的なことである。世界の国々の中で庶民にまで、まんべんなく紋章が広まっている国は日本だけ、その事実がこの奇跡性を物語っているではないか。



今回のエントリーでは、w-inds.を例にして名字、出身地から、彼等の家紋を想像してみよう。



w-inds.というのは、下記の3人のメンバーからなる男性ダンス&ボーカルユニットである。



千葉涼平 1984年11月18日生、北海道出身(左)

橘慶太  1985年12月16日生、福岡県出身(中)

緒方龍一 1985年12月17日生、北海道出身(右)



まずはリーダーの千葉涼平。千葉という名前から想像できるのは、平氏の名族・千葉氏である。

平氏と言えば、元々桓武天皇の流れを汲む。そのひ孫の高望王が平氏を賜り、皇族を離れ、関東に根を張った。

その子孫の中でも千葉氏は有力な豪族として鎌倉、室町まで生き延び、家名は江戸を通して現代にも残っているのである。

そして、千葉氏の多くは東北地方に勢力を伸ばした。その中には国分氏もあるから、TOKIOの国分太一は、もしからしたら千葉氏の流れを汲んでいるかもしれない。

そんな歴史的な経緯から見ると、千葉氏を姓に持つ千葉涼平は、正統な桓武平氏、そして家紋は、星に三日月を持つ可能性が高い。この月星紋の有名人は多いが、代表的なのは、あの剣豪・千葉周作と、前の五千円札の新渡戸稲造だろうか。



次に橘慶太。福岡県出身ということもあり、おそらくは、橘氏族の出である可能性が高い。

橘氏は、奈良時代に、藤原不比等の後妻となり、光明皇后を生んだ県犬飼三千代が、その功績により橘姓を賜ったことが始まりだ。女性が氏の始祖となるケースは珍しい。勿論、この時代、女帝も多く輩出されている事から考えて、女性上位の気風の時代だったのかもしれないが、一方ではそれほど、彼女の功績は大きかったということもいえると思う。

しかし、この橘氏は平安時代に入ると、藤原氏の風下に立たされることが多く、中央政界ではうだつが上がらなくなる。

おそらく、慶太の祖先は、そんな橘氏の中でも藤原純友の鎮圧のために大宰権帥として九州へ下向した参議橘公頼の子孫かもしれない。

この橘氏はその後、筑後(現在の福岡県)に広く勢力を拡大する。その後、松田聖子やZARDの坂井泉を輩出した蒲池氏も、この橘氏の流れを汲んでいるのである。

ちなみに、藤原純友の乱の際に、橘氏と並んで、純友を成敗した伊予(現在の愛媛)の豪族に越智氏がいた。

現在、橘慶太は、VISION CAST(携帯のみ)というサイトで『冠慶太』という番組をおちまさと(本名:越智真人)と一緒にやっているが、これも遠い昔の因縁だろうか。

家紋は勿論、橘紋かと思われる。福岡の橘氏はほとんどこの紋を使用しているからだ。

ちなみに、橘紋を使用する有名人には、例えば、日蓮、山中鹿之助、井伊直弼、勝新太郎、江川卓、小和田雅子、北島康介...なんとなく、強い意志を感じさせる人物が多い。



そして、最後が、緒方龍一だ。彼自身は北海道出身だが、この緒方という姓は、元々九州・熊本に多い姓である。

日本にはある程度、県単位で特に多い名字というのがある。宮崎県には黒木姓が多いし、愛媛県には越智姓、長野県には百瀬姓、香川県には大西姓が多い。また青森県に工藤姓が多いことも有名だ。

そういった姓と県の結びつきで言えば、緒方姓と熊本というのも結びつきが深いのだ。昔、巨人軍にいた緒方選手も確か、熊本出身であった。

この緒方氏は元々は、大神氏という大国主系の氏族で、平安時代に九州に土着するのである。

氏族の中では、平重盛の家人だったが、源平の合戦で源氏方に付き、その後、義経側についたため、不遇な扱いを受けた緒方惟榮が有名である。

しかし、残念ながら緒方氏には、これといった決まった家紋がないようだ。あえて言えば、江戸末期に適塾という蘭学の私塾を立ち上げた緒方洪庵の杉紋が有名である。



こう見ると、千葉涼平は月星紋、橘慶太は橘紋、そして緒方龍一が杉紋というのが僕の想像だ。



w-inds.という名前は、北(涼平・龍一の出身が北海道)と南(慶太の出身が福岡県)の風(wind)が一つになって世界中に届くようにと名づけられたというが、このように歴史の流れを見ていくと、慶太の橘氏と龍一の緒方氏は元々九州の大族という共通点が、さらに、その橘氏と千葉氏の祖である平氏は天皇系の氏族という点で似ているのだ。



涼平・龍一は北海道出身

慶太・龍一は九州の大族出身

涼平・慶太は、天皇系氏族出身



それぞれの組み合わせでつながりがあるではないか。

もしかしたら、w-inds.の三人のチームワークのよさにはこんな因縁が隠されているのかもしれない。



まさむね



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