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2009年8月25日 (火)

子供手当てで京楽とキリンが潤わないと言い切れるのか

「財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」の総額が6月末時点で860兆2557億円になったと発表した。3月末に比べて13兆7587億円増え、過去最大額を更新した。税収減や経済対策に伴う借金が膨らんだため。7月1日時点の推計人口の1億2761万人で計算すると、1人あたりの借金は約674万円となった」

大変なニュース(8/10 NIKKEI NET)である。
本来だったら、この借金をどうするかで衆議院選挙は戦われるべきだと思うのだが、現状では借金の話はほとんど無く、ただのバラ巻き合戦になってしまっている。
テレビでは麻生首相は、民主党の政策に対して、「成長戦略のないバラマキ」と批判していた。
たしかにそれはそうだ。しかし、お前には言われたくない。
誰が、860兆円もの借金を作ったのだ。結果としてそれは自民党だし、政府だろう。

勿論、国民だってずっと「なんでも欲しがるクレクレタコラ」状態なのは確かだ。今回の選挙だって多くの国民は、どっちが勝てば得をするのかで投票先を選んでいるにちがいないのだ。
しかし、それにしても、麻生首相が言っている成長戦略は、本当の意味で、成長戦略にはなっていない。
それは、ただの所得の再配分である。
いつもの通り、東京の若者から税金を取って田舎の老人に配る政策に他ならない。
公共事業で、GDPは上がるのかもしれないが、それは収入を未来に先送りする事に他ならない。ツケを払わされるのは次の世代なのである。
勿論、民主党が提唱する子供手当て、高速道路無料化だって、早い話が、都会の独身オタクから田舎のヤンキーへの所得移転だろう。
子供手当て自体は少子化を考えたら悪い政策とは一概に言えないが、少なくとも配られたお金がパチンコの京楽やキリンビールの売上げに消えないような配慮だけはなんとか知恵を絞ってしてほしいものだ。

本来だったら、本当の意味での成長戦略ををするのなら、特殊法人を減らして、法人税減税をして、規制緩和して、海外との交流を盛んにするしかないのだ。
今の時代、国内産業を保護していたら、ただ取り残されるだけである。
日曜劇場「官僚たちの夏」では、日本のためを思って必死に(徹夜しながら)日本の産業界を守ろうとする官僚達と、目先の利権に目がくらむ政治家という対立がドラマのメインテーマになっているが、それはあくまで1960年代初頭の話だ。今は、その国内産業の保護、国土交通省の余計な規制が日本の自由競争を阻んでいるのではないだろうか。
今時、あんなアナクロなドラマを放映して、どこに媚びているんだTBSは...

民主党はわかるとしても、自民党までもが、現在の地域の疲弊(格差問題)に対して、小泉構造改革を悪者にしている。しかし、おそらくこの問題には根の深い歴史的経緯がある。それを僕なりに追ってみるとこうだ。
明治時代以来、一貫して、村落共同体を解体する方向で政策を進めてきた中央政府は、それぞれの地域の鎮護の守りを統一的な位階で並べ替え、序列をつくってきた。
国家主義的な宣伝によって、本来、守るべき地域社会を空洞化させ、国家主義的な幻想に価値観を集中しようとしてきた。
それまでは各藩が独立採算でやってきたものを、一旦中央に税金を集めて、再配分するという中央集権により地域の自立心を萎えさせてしまった。
地域社会を補助金漬けにして、役所、土建屋や農協等のいわゆる「顔役」に金を集め、一般の人々を彼らに従属させるようなシステムをつくってきたのである。
それは地域主権とは程遠い。日本全国クレクレタコラ計画とでも呼べるようなグロテスクなシステムである。

しかし、バブルもはじめ、右肩上がりの成長も止まり、そんなシステムがニッチモサッチもいかなくなった20世紀が終わった。
そんなタイミングで出てきたのが規制撤廃(聖域無き構造改革)を訴えた小泉ではなかったのだろうか。
おそらく、小泉政権が悪かったとすれば、それは規制緩和を中途半端で終わらせてしまったことであって、規制緩和をしたことではない。
そういう意味で、僕は竹中平蔵の主張は正論だと思っている。
今更、郵便局の民営化を見直す議論を起すなど、例えば、鳩山邦夫などは、一体、何を考えているのだろうか。

民主党にしたところだって、農業補償問題では自由貿易協定(FTA)では、農産物を例外項目にするらしいが、彼らは、本当に改革政党なのだろうか。
直接補償というのは各国でやられている真っ当な政策である。困るのは中抜きが出来なくなる農協くらいなものだ。
しかし、FTAへの対応はどうしたものか。ただ、農協の票が欲しいだけではないか。
本当に、農業をビジネスとして成立させようとしている意欲的な専業農家の足を引っ張ってどうするのか。

僕には大きな流れとしては小さな政府・新しい形での地域社会の再生しか、日本が進む道は無いように思える。
(実は個人的には、鎖国というのも魅力的だと思うけど、それは夢にすぎない)
そして、おそらく民主党にも、自民党の中にもそういった志向の面々が潜んでいることを信じている。
しかし、残念なことに、それらの勢力が結束するのは、まだまだ先のようだ。

日本の借金時計が、1000兆円になるのも時間の問題のような気もする。あ~あ、誰が払うんだよ。

まさむね

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