無料ブログはココログ

« 橋本治と井沢元彦、どっちの不比等観が真理に近いのか | トップページ | 日本は老人医療費という名の子泣き爺を抱き続けるのか »

2009年8月31日 (月)

ジョージ・ハリソンベスト10は意外に選ぶのに苦労した

今月も月末の31日になった。

先月から、月末日には、自分のビートルズのベスト10を公表することにしている。

しかし、ただのベスト10だと代わり映えがしないので、毎月、テーマを決めてみようと思う。

とりあえず、今月はジョージ・ハリスンの楽曲から選んでみることにする。



ジョージの楽曲に対する評価ほど、固定化されている評価というのも珍しいかもしれない。

中山康樹氏の言葉を借りるまでも無く、彼のその固定的な物語とはこうだ。

初期はジョンとポールの陰に隠れ、くすぶっていたが、中期にインド音楽と出会い、独自の世界を切り開く。しかし、才能が完全に開花するのはホワイトアルバム収録の「While My Guitar Gently Weeps」、そしてビートルズ最後のアルバム「Abbey Road」における「Something」「Here Comes the Sun」でジョンとポールに肩を並べるほどに成長という物語である。



僕は上記以外のユニークなジョージ評を見たことが無い。勿論、僕も大筋、賛成だ。

しかし、楽曲の評価とは別に、彼の新進性への評価という視点もあっていいような気がする。

例えば、「嘘つき女」や「Taxman」はビートルズが始めて政治的なメッセージを込めた歌である。また、「I Want To Tell You」のアジア的不協和音も初めてソングかもしれない。さらに、「Within You Without You」の思想は、後のジョンの思想を先取りしている。

ジョージはビートルズで最も年下にもかかわらず、いやだからこそかもしれないが、新しいモノ好きという面があるのだ。

そういえば、ムーグシンセサイザーという当時、最新の楽器をビートルズに取り入れたのも彼だった。

ジョージのそういった新進性は、もっと評価されてもいいと思うのだがいかがだろうか。

さて、前置きが長くなったが、これが、僕のジョージベスト10だ。



1.Here Comes the Sun

2.I want to tell you

3.嘘つき女

4.While My Guitar Gently Weeps

5.Only a Northrn Song

6.Something

7.It's all too much

8.I Me Mine

9.If I Need Someone

10.Love you To



1位の「Here Comes the Sun」、こんなに自然な曲は珍しい。歌われている対象が「自然」、出来方(アップルの会議をすっぽかして、エリック・クラプトンの家で日向ぼっこをしている時に作曲)が自然、そして勿論、曲の流れが自然。

2位の「I want to tell you」、日本ツアーのオープニングとしてこの曲が流れた時の興奮は今でも語り草となっている。

3位の「嘘つき女」。ポールのファズベースが新鮮。ジョージの楽曲ではポールのベースが暴れる(「Taxman」「While My Guitar Gently Weeps」「Something」)という伝説があるが、この曲もその一つ。

4位の「While My Guitar Gently Weeps」は言うまでも無く、名曲中の名曲。エリッククラプトンの参加にポールが秀逸なベースプレイでビートルズのレベルの高さを見せ付けたというのも伝説の一つ。

5位の「Only a Northrn Song」。この曲は「Savoy Truffle」「Old Brown Shoe」などと並んで、ジョージのポールへの皮肉が込められているというのが僕の解釈。

6位は「Something」。言うまでも無くジョージの楽曲の中で一番有名。ポールのベースも凄い。

7位の「It's all too much」は、サイケデリックサウンド。イエローサブマリンのアニメで使われた。

8位の「I Me Mine」は映画「Let It Be」内で、ジョンとヨーコとのダンスシーンとして印象に残る。サビの入り方がちょっと唐突。

9位は「If I Need Someone」。ビートルズの武道館公演時も演奏されている。

Carve your number on my wall And maybe you will get a call from me If I needed someone

電話番号を壁に刻んでおいて ひょっとしたら電話するかもしれないよ 誰か相手がほしくなったら

という歌詞は、現代だったらちょっと問題になりそうなタカビーな感じがしないでもない。

そして、10位の「Love you To」は、次の年のサマー・オブ・ラブの思想を先取りしている。「1日中愛し合おう、歌いながら愛し合おう」っていう生き方が、享楽的である。



他にも「Within You Without You」とか「I Need You」「Savoy Truffle」等、後になって入れたかった曲もあるが、これがベスト10の残酷さである。ご容赦。



まさむね

« 橋本治と井沢元彦、どっちの不比等観が真理に近いのか | トップページ | 日本は老人医療費という名の子泣き爺を抱き続けるのか »

ビートルズ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ジョージ・ハリソンベスト10は意外に選ぶのに苦労した:

« 橋本治と井沢元彦、どっちの不比等観が真理に近いのか | トップページ | 日本は老人医療費という名の子泣き爺を抱き続けるのか »

2021年8月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック