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2009年8月15日 (土)

民主党の人気取政策の陰に隠れた理念がよくわからない

マスコミでは、民主党のマニフェストの「子供手当て」「農業者個別所得保障制度」「高速道路無料」といったいわゆるバラマキ政策とその財源に関してのみ、議論されることが多い。

当然のことだが、こういった人気取りの政策の背景には民主党が理想としている社会と政策理念がある。

しかし、民主党はその理念を前面に出して選挙戦を戦うという戦略を取らない。

それは、しかたがないことなのだろうか。



ジャーナリストの神保哲夫氏(「神保哲生:検証・民主党政権で日本はどう変わるのか!<第4回>「理念」を掲げれば票が減る?人気優先マニフェスト選挙のジレンマ」)によると、同党の哲学や理念を色濃く反映する政策は、むしろ民主党がマニフェストに載せなかった以下のような政策に現れているという。



・選択的夫婦別姓の導入

・婚外子の相続差別撤廃

・国民全員が確定申告をする新しい税制

・学習指導要領や教科書検定を事実上廃止

・靖国神社に代わる国立戦没者追悼施設の設置

・戦争責任の明確化

・メディアのクロスオーナーシップ(新聞社によるテレビ局保有)の見直し

・放送免許の付与権限を総務省から離し、新設される独立行政委員会(日本版FCC)がその権限を持つ

・政府記者会見の記者クラブ非加盟メディアへの開放

・成人年齢の18歳への引き下げ(投票権を含む)



これらの政策をよくみると、それぞれが敵を作る政策である。

夫婦別姓や婚外子の差別問題は、いわゆる従来の家族制度を大事にする保守勢力から異論があるだろう。

国民全員に確定申告させるような制度は怠惰なサラリーマン層にとっては面倒以外何物でもないかもしれない。

教科書検定を廃止するという事は文科省の権益が大幅に減らされるという事だ。その下でヌクヌクと教科書を作ってきた業者にとっても、この変化は気が気ではない。単純に賛成できる話とも思えない。

靖国問題、戦争責任問題は、国家主義者には聞き捨てならない問題提起だろう。

メディアのクロスオーナーシップ見直し、記者クラブ廃止問題はマスメディアにとっては死活問題だ。

投票者の年齢を下げるということは年寄りにとっては、そんないい気がしないだろう。



おそらく、これらの政策は、民主党が思い描く「自立した包摂性のあるフェアな市民社会」実現のために必要なことなのであろう。

しかし、民主党はこれらをマニフェストに掲載しなかった。

それは、選挙のための戦略といって済まされることなのだろうか。



確かに、今まで、自民党任せ、官僚任せで800兆円以上の借金が生まれ、多くの国民は政府からの補助金無しでは生活も出来ないようになってしまった。

年金や健康保険も破綻するかもしれないと言われているし、雇用問題、少子化、学校崩壊、経済界も明るい見通しが立たない、そんな日本になってしまっている。

しかし、自民党はそれでもまだ、これまで通り「おまかせください」政治を続けようとしている。

これでいいとは誰も思っていないだろう。

とりあえず、逃げ切れればいいと考えている既得権益にどっぶりとつかったオヤジ位だろう、このまま続けてメリットがあるのは。(勿論、もしかしたら、無自覚ながら、自分もその一人かもしれないという点は微妙に触れておくが...)



ただ一方で、国民の多くは、民主党が目指す理想社会に賛同も、あるいは覚悟も、さらに言えば認識すらしているとも思えないのが現状である。仕組みを徐々に変えていけば、いつの間にか、国民も国家依存体質から、自立的な市民になっているってなものなのだろうか。

空洞化してしまった地域社会が、お互いの幸せをお互いに幸せと感じられるような社会(絆のある社会)になっていくものなのだろうか。

そのために、一人一人が何をすべきなのかが段々理解してくるようになるのだろうか。

もっと極端に言えば、民主党政権になると、国民一人一人が「いい人」になるとでもいうのであろうか。

具体的に言えば、「子供手当て」をもらって、親がパチンコ屋へ行かないと誰が言えるのだろうか。



はなはだ怪しい中で、民主党の政権が出来るかもしれないような状況になりつつある。

一般の社会では、問題になりそうなことは、あらかじめ公表し、確認し、対策を練りながら進めるというのが基本中の基本だが、政治というのはまた違うものなのだろうか。



僕のような普通の会社員にはわからないことだらけだ。



まさむね



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