民主党と自民党のマニフェストが発表されたけど...
今回はいつにもまして、大雑把な話、ご容赦のほどよろしく。
民主党に続き、自民党のマニフェストも発表された。
基本的に、小さい政府を志向しつつも、個人や家庭に金をバラ捲いて、財源は曖昧っていうスタンスは両党とも同じだ。
どちらかが小さい政府で福祉も少なく、一方が、大きな政府だけど、福祉も篤いってような二者択一の選択肢にしてくれればこちらも選びやすいんだけど、そうはなっていない。わかりやすく政界再編されるには、あと、数回、選挙を経ないとだめなのかもしれないね。
まぁ、現時点での違いはといえば、民主党の方が、よりバラ捲く金額が大きく、自民党のほうが少ない。
両党とも、「役所の無駄遣いをやめます。」って言ってるけど、自民党のほうは、今まで出来なかったのに、何故、これからなら出来るって言えるの?という素朴な疑問が残るし、民主党は、今までやったこともないのに、なんで、そんなに自信を持って出来るって言えるの?っていう疑問が残る。
結局、これらのマニフェストの下書きを書いているのは同じ役人だったりして...
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そもそも、無駄って一体なんだろうか。
厚生施設のマッサージチェアの話はわかりやすいけど、そんなわかりやすい話ばかりではないだろう。
現場の担当者で、これは無駄だと思いながら業務にあたっている人は少ないんじゃないだろうか。
例えば、「鮎をもっと食べましょう」というのを推進している部署がどこかの役所にあったとして、担当者はおそらく、本気で鮎を食べることは日本人にとって重要だと思い込んでいるのではないだろうか。
だから、そういう人だって、一般論として「無駄撲滅」に関しては大賛成だろう。でも、具体的な話で、「もう鮎食べましょうって言わなくてもいいんじゃない?食べる人は食べるし、食べない人は食べないんだから」ってことになると「俺って無駄だったの?」っていうことで大抵抗するわけだ。
小泉への熱狂的支持に引き続き、今では、行き過ぎた改革批判って、つまり、そういう無自覚な無駄な人たちがあまりにも多かったってことだと思う。
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民主党の政策に、途中まで進んだ公共事業も、精査して止めるものは止めます。みたいなのがあったけど、これってそれにぶら下がって働いていた人はどうなるんだろうか。普通に考えて失業だよね。
まぁ、そういうところ(例えば、ダムの工事現場)で働いていた作業員が失業して、月々何万円かの補助をもらって、3ヶ月くらい、PCとかエクセルの使い方の職業訓練を受けて、IT関連の企業に就職しようとして面接を受けたとする。その人が既に35歳位だったら、採用する企業なんてあるのだろうか。
残酷なようだけど、それが現実だと思う。
政治は、公共事業を止めて、失業させて、職業訓練させて、その間の生活は保障しても、その後の事は面倒見切れないからね。いや、今回のマニフェストには「それでも面倒見ましょう。だから一票入れて」という政治家からの誘惑が見えます。
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派遣労働の原則禁止って話も両党のマニフェストに出てくるけど、そうすると結局は、沢山の失業者が出るってだけだよね。
非正規社員を正規社員にするような政策だったら、一方で同時に、正規社員の首を切りやすくしないといけないっていうのは誰が考えてもわかる話だけど、それは労働組合が怖くて誰も口に出せない。
僕だって、40代後半の正規社員だけど、頭では、解雇規制はやめろ(ようするに、首にしやすくしろ)というのはわかるけど、現実問題、「じゃあ君から解雇ね」って言われても困る。だから自分の身に降りかかってきたら、自分もまっさきに抵抗勢力にならざるを得ない。難しいところだ。
現実的にありうるのは、中高年者の給料を減らして、若者の正社員化を進めるか、いわゆる驚異的な経済成長をするかっていう二者択一しかないと思われるけど、その経済成長こそ、「無駄をなくす」ことによってしか実現する道がないとしたら、また、さっきの話に戻ってしまう。
さらに言えば、もう一つ、個々人への税金をものすごく高くして、そういった今まで無駄だった人を生活保護とかで、公的に養うっていう方法もあると思うんだけど、これだと金持ちとか、能力のある人はどんどん日本から出て行きそう。
それによって、日本はますます停滞しそうだよね。
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自民党と民主党の違いがあるとすれば、今までの自民党政権では、官僚を通して、土建屋とか医者とか農協職員とか、いわゆる地方の「顔役」にお金が回り、そこから一般の庶民に金が行くっていうシステムが、民主党が政権を取ると、いきなり一般の人にバラ捲かれる金が多くなるっていうことでしょう。
そうなると、地域のコミュニティがますます解体します。勿論、いやいやそういう「顔役」にぶら下がっていた人も多いわけだから、それがなくなるだけセイセイするっていう人々も多くて、それはそれで結構な話だけど、これでますます、村の祭りとか、自治体による清掃活動なんかが廃れます。地場産業的な「顔役」系列経営の商店にも、今までは「お付き合い」で買い物をしていたのが、面倒だからってことで、国道沿いのスーパーとかに消費が集中。高速道路も無料化されれば、ますますだよね。2チャンネル的に言えば、これで「イオン」は益々繁盛するわけです。それを阻止したい自民党。
ちなみに、麻生さんの家紋は「違い釘抜き」だけど、この紋、人と人と野結びつきを表す。やっぱりどこかで保守的な意味での「絆」っていうのを意識するのかな?麻生さんは。
一方、民主党はそんな旧来のコミュニティ解体のかわりに、新しい人々の「絆」をつくるためにNPOとかNGOの設立の簡素化とかマニフェストで言ってるけど、そんなに上手くいくものなんだろうか。これは遠大な実験として見守りたい。
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外交、防衛問題に関しては、いわゆるインド洋の海賊対策に自衛隊を派遣するかどうかっていう具体的な問題があるらしいけど、実のところ、多くの人にとってはあんまり関心がない。自衛隊がどこへ行こうが、「税金分働いて欲しい」位にしか思っていないんじゃないかな。残念だけど。
ちなみに、鳩山家の家紋は「尻合わせ三つ結び雁金」だけど、その昔、瀬戸内海の播磨灘に出没した海賊をやぶった花房氏もこれに似た「尻合わせ三雁金」を旗印にしていて、海賊達はその紋を見ると逃げたという(「家紋と家系」辞典 丹羽基二著)。現代の世界情勢もこういう風に、自衛隊が行くだけど、相手が逃げてくれるように、上手い具合にいくといいんだけどね。
まぁ、結論として、おそらく今回は、民主党が勝つとしたら、官僚があせって、景気が悪くなって、コリャだめだとなって、次はマニフェストももう少しリアリティのあるものになって、野合じゃなくて政策本位での政党が形作られて...ていう過程を経るための、一歩になればいいかなと思います。
「みんな投票に行きましょう」っていうのも、「なんで?」って言われると詰まっちゃうところがあって、よく考えると疑わしいんだけど、いずれにしても今回の衆議院選挙は、究極の選択だよね。
今日もグダグダな文章でゴメンネ、ゴメンネ;;
まさむね
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