ビートルズは常に我々に謎を投げかけてくる存在である
ビートルズのリマスターCDの初回出荷が100万枚を超えたというニュースがあった。
これは物凄いことだ。
いまや、オリコンのシングルチャートで5万枚も売れればトップがとれる時代に、出荷予約だけで100万枚なのだから。
勿論、アルバム14枚と2つBOXの合計出荷とはいえ、すでに40年ほど前に解散しているバンドのCDがこれほど注目を集めているというのは異常だ。
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以前のエントリー(リマスターCD発売時に再確認させられる自分のオタク性)で僕はこのCDは購入しないだろうと宣言してしまったが、最近はちょっと揺らぐ毎日である。
僕はこのブログでビートルズを始め、音楽のことをさんざん書いてきたが、ここで告白。
実は、生れてから今日まで音楽CDというものを1枚しか買ったことがないのである。
(この1枚に関しては、またいつか語りたいと思う)
勿論、アナログのLPアルバムはそれこそ何十枚も購入したが、それは十代の頃の話で、CDはほとんど買った事がなかったのだ。(DVDはたまに買います。アンソロジーとか...)
そんな僕は、それでも、誰よりもビートルズの音楽を聴いていると自負するところはある。
図書館で借りたり、P2Pソフトでダウンロードしたりして、ビートルズ全曲をiPodに入れて持ち歩き、朝夕の通勤時間と寝る前には必ず、ビートルズを聴いているのだ。
だから平日なら、1日最低2時間は聴いているのであった。
それに、数年前、一念発起して、ビートルズのオリジナル楽曲の歌詞を全て暗記してみたことがあった。
これは自分の暗記脳がどれほどのものか確認する意味もあったのだが、意外になんとかなるものだと手前勝手な満足感を得ることが出来た。おかげでその本はボロボロになってしまった(左図)。そして、その副産物として歌詞を読み直して、それに関して色々と考えるようになったのである。今まで定説として語られてきた訳詞に「一言」申せるようになり、それを発表しようと思い立ってこのブログを立ち上げたのであった。
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まぁ、自分のことはさておき、9月9日のリマスターCD発売である。
これを機会に、十代、二十代の新しいファンがビートルズを聴いて、あたらに感動をしてほしい。
しかし、一方で僕は実はそんな「まだビートルズに出会っていない」人々に若干嫉妬しているのも事実だ。
彼らの目の前にはまだ「宝の山」が放置されているからである。
つまり、僕が「All My Loving」や「Martha My Dear」を初めて聴いたときに味わったのと同じような感動が彼らの将来に待っているからだ。
さて、先ほど、THE BEATLES特集 - Yahoo! JAPANでザ・ビートルズ国民投票をしてきたのだが、そのサイトにあった上記の写真にいつものクセで、早速、ひっかかってしまった。彼らの髪型からみて、かなり初期(1962年?)の写真だろう。
デビューしたてのアイドル写真なのに、4人の背景に壊れた自動車があるではないか。
しかも、この自動車、もしかして当時、「ビートル」と呼ばれていたフォルクスワーゲンではないのか。(自信はないけど)
だとしたら、この写真には、古いビートルを脱皮した新しいビートルズというメッセージが込められているのではないのか。そういう意味で言えば、ビートルズはデビュー当時からかなり「知略的」なグループだったのではないだろうか。
あるいは、ワーゲンというのをドイツの象徴だとすれば、ドイツ=ハンブルグを捨ててこれから世界に出て行こうという意欲のあらわれか...う~ん、ちょっと違うか。
さらに、この壊れたビートルは、この時期に既になくなっていたスチュワートサトクリフを表している、すなわちこれは彼への追悼写真なのだとか...まぁそれはないか。
いずれにしてもこういう想像は楽しい。
こうしてビートルズは常に僕らに謎を投げかけてくるのである。
まさむね
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