「官僚たちの夏」は「ROOKIES」の中年版である
日曜劇場「官僚たちの夏」を毎週見ている。
毎回、同じような展開に、多少、辟易しながらもなんとなく見てしまうのである。
自動車業界、家電業界、そして繊維業界...
戦後、日本経済を牽引してきた各産業界。そしてそれを「指導」してきたと自負する通産省の葛藤の物語だ。
話は常に、国内産業を保護しようとするいわゆる「産業派」(佐藤浩市、高橋克実、堺雅人等)と、国際的視野から自由貿易を推進しようとする「国際派」(北大路欣也、船越英一郎、高橋克典等)との怒鳴り、もみ合いになり、基本的に大臣裁定で「産業派」が破れ、その流れに翻弄された町工場の親父達(岡本信人、桂ざこば等)が苦悩し、「産業派」が「これでよかったんだろうか...」とつぶやくというオチである。(昨日のコンピュータ編は微妙に違ったけど...)
現実の歴史とはだいぶ違うようだが、おとぎ話としては、それなりに楽しめる。
特に、「彼らの議論は白熱し、翌朝の五時まで続いた...」というナレーションから始まるいつもの会議の様子...
「これじゃあ、国内の○○業界は死を宣告されたようなものだ!」
「いや、そんなことはない。○○業界ははそんなヤワじゃない。」
「しかし、米国からの要求をこれ以上、食い止めるのは無理だ!」
「じゃあ、町工場はどうなってもいいというんですか?」
という感じで、毎回、延々と怒鳴りあっているのだ。そういえば、近年、「ごくせん」は教室で、「ROOKIES」は部室で、「アタシんちの男子」では家の中で、イケメンが怒鳴りあうドラマがやけに多くないか。
おそらく、この「官僚たちの夏」はそういったドラマの中年版という位置づけなのであろう。ただ、ターゲット視聴者が女子高校生からオバさんになっただけではないのだろうか。
ここには、イケメンの怒鳴りあい=瞬間最高視聴率という方程式があるのかもしれない。
それにしても、官僚が叩かれまくっているこのご時世に、このような「昔の官僚は篤かった」的なドラマをやることにどういった意味があるのだろうか。これが、ただの昔はよかった的な思い出話なら罪も無いのだが、現代も生きのびている経産官僚の勘違い心に火をつけなければいい...と思う今日この頃である。
まさむね
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