高速道路無料化は、地域社会に対して何をもたらすのか
民主党が政権を取った。
政策の目玉の一つが高速道路の原則無料化である。
これが実現すると、大喜びする個人(田舎のコロガシ系のヤンキー)、流通業者は多いだろうが、逆に地方都市の中小商店主は今以上のダメージを受ける可能性がある。今でさえ、旧市街地のシャッター街化が進んでいるというのに、それはさらに加速化する。自動車交通の便のいい大手ショッピングセンターだけが繁盛し、中途半端に自動車が乗り入れできる地方都市はさらに寂れることは目に見えているではないか。6日の毎日jpでも、そのあたりの悲喜こもごもが記事になっていた。
左上の写真は、高速道路無料化によって、寂れることが予想され、不安な心持ちの国道沿いにある食堂を経営する夫婦である。
これが、今回の選挙で、地方の人々の選択の結果なのだから仕方が無いといえば、仕方が無いが、今後、この政策によって不利益をこうむる人々の生活は、一体どうなってしまうのであろうか。
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「道路整備事業の大罪」(服部圭郎著)は、道路が整備されることによって、逆に地方が寂れてゆくことに警鐘を鳴らす。
行政は道路が人々を豊かにすると考え、高額の予算を執行して道路を整備する。しかし、道路を整備された地区の住民は、どんどん家や集落を捨ててそこから出て行く。これは不思議な現象だが、不思議と思ってしまっているわれわれが何か重要なことを見落としているのではないか。
それは、人々は道路を、そこでの生活の利便性をもたらすものとして捉えるのではなく、そこでの生活から脱却させてくれる出口として捉えるのではないか、ということだ。
おそらく誰が悪いという話ではないのだろう。人々には生活がある、そのためには仕事が必要だ。そして道路建設という、ある意味、安易な公共事業が日本全国にばら撒かれてきた。勿論、それによって、一部の地主は何もしないで潤っただろうし、多くの地方在住者は職を得てきただろう。それのどこが悪いという話ではない。
しかし、90年代に国や地方自治体の財政が悪化し、そういった公共事業が思うように発注できなくなってきた今日、結果として残ったのは、そういった公共事業に頼り切って生きてきた地方の疲弊と高齢化という残酷な風景である。
服部圭郎氏の話の延長で考えるのならば、民主党の高速道路の無料化政策は、そんな悲惨な状況をさらに加速させてしまうかもしれない。
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一方で、山崎養世氏のいうように、高速道路の無料化が、外需中心の工業化社会から、地域振興、農林水産業の発展、観光、教育の充実につながるという意見もあるにはある。しかし、この人は話し方もそうだが、根っからポジティブなキャラクタなのだろう。夢のような話に聞こえてしまうのは、山崎氏が言うように、「そんなことできるはずがない」とか「そんなうまい話があるはずがない」といった「常識の壁」に阻まれて、僕が、いつの間にかネガティブになっているだけなのであろうか。
とりあえず、これからは、田舎の土建屋のためだけの道路拡張には反対する御両人だが、高速道路無料化によって服部圭郎氏が懸念するような明日になってしまうのか、山崎養世氏が期待するような明日が来るのか、僕にはわからない。
じっくりと見守っていきたい。
まさむね
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