小沢院政VS霞ヶ関で久々に試されるプロレス者の感性
鳩山政権誕生を目前にして、閣僚人事、党人事が徐々に決まって来ているようだ。
国家戦略局の担当相に菅直人、外相に岡田克也、年金担当相に長妻昭、財務相に藤井裕久というような人選らしい。
それらの顔ぶれをみると、やはり今までの実績を重視した民主党のオールスター、実力派を揃えた本格的な内閣との印象を受ける。特に左図の藤井裕久は、財務省のOB、現役の職員達の大先輩にあたる人物だ。年功序列を絶対とする官僚への重しとしてはこれ以上ない人選のようにも思える。
勿論、僕は上記の人のどなたともお会いしたことがないので、過去の新聞、テレビやネットニュースでの印象を話ているだけだ。だから、実はとんでもない話なのかもしれないが、そのあたりは、まだよくわからない。
さて、今回の人事における最大の話題はなんと言っても、小沢一郎の幹事長起用である。小沢氏が幹事長に就任したということは、彼が民主党内の実権を握るということを内外に公然と示したということらしいのである。
それは自民党の幹事長に、柳の下の幽霊のような風貌の細田氏が就任しているのとは全く違う意味合いがあるということだ。
テレビ(土曜日のテレ東の「週刊ニュース新書」やTBSの「報道特集」など)によると小沢氏が幹事長に就任したことによって、権力の二重構造が生まれるのではないかという懸念があるらしいが、それは確かに物語としてはわかりやすい。
どちらかといえば、インテリなお坊ちゃんの鳩山由紀夫氏が首相で、強面の実力者小沢氏が陰でその鳩山氏をあやつるという図は、どこか、既視感があるのだ。
古くは90年代、新進党結党会見で臨席した初代幹事長の小沢一郎に核心の質問が集中し思わず「党首は私なんですから質問の順序が逆じゃないんですか。」と海部俊樹が切れた、あの場面を思いおこさせるのである。
そういう意味で言えば、日本の政治システムは変わっていないのか、小沢一郎が変わっていないのか、あるいは政治記者のセンスが変わっていないのか、さらに言えば、それを楽しむ一般市民の楽しみのツボが変わっていないのか、おそらく、それら全部なのだろうが、とにかく進歩がないように感じる。
個人的には、かつてのプロレス界を思い出させる。鶴田と天龍が素晴らしい死闘を繰り広げていた90年代前半、しかし、試合後には、その二人ではなく、記者が囲むのは決まって馬場さんであった。
おそらく、記者も本能的に、その場の空気を支配している本当の実力者が誰なのかというのがわかっていたのであろう。
まさしく、日本的な話なのであるが、これが「現実」なのである。
藤原不比等、後白河法皇、徳川家康、そして田中角栄、一線を退いたと見せかけながらしかし、強大な権力を持ついわゆる「院政」の歴史が日本には脈々とある。それが、ある時は日本人のリスクヘッジであり、外部から見たら攻め難さでもあった。
好き嫌いで言えば、僕はこういった老獪な制度は嫌いではない。
おそらく、顔の無い権力システム・霞ヶ関と院政・民主党政権との権力闘争が始まるのであろう。
そういえば、民主党の目玉政策の一つに今までの記者クラブとの馴れ合いの排除というのがあった。
そうなるとマスコミは潜在的に民主党の敵にならざるを得ない。となると当然、マスコミが、官僚のリーク情報をもとに発信するニュースも、そのうち反民主のバイアスがかかってくる可能性があるということだ。
といういことは、一つ一つの記事の裏を読むセンスが僕たちにも求められてくるということか。
そして、そのセンスとは、かつて、東スポの記事を読みながら、その裏を読んでいたプロレス者の感性に近いのではないだろうか。
もし、そうだとすれば、それはそれで、面白くなってきた。ここは一つ、朝日新聞でも取ろうかな。
まさむね
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