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2009年11月29日 (日)

いつの間に蝦夷地(関東以東)出身の関取が減っている

九州場所の優勝が千秋楽を待たずに白鵬に決定した。

後半、ライバルの朝青龍は、怪我もあって、優勝争いから脱落。昨日(14日目)の相撲は無残な感じだった。上半身はテーピングだらけ、しかも、その表情からは気迫が感じられず、琴欧洲の寄りにあっさりと土俵を割った後には苦笑いすら見せていた。

こんな横綱は見たく無い。誰もそう感じた瞬間だ。

ヒールは圧倒的な迫力と強さがあるからこそのヒールである。「もう引退も近いのか」そんな嫌な予感すら感じさせた横綱の表情であった。



確かに白鵬の強さは圧倒的だ。今年は今日の勝利で85勝(年間最多勝記録樹立)だ。6場所全てが14勝以上というのはとてつもない記録ではないか。もし、白鵬が日本人だったら、それこそお祭り騒ぎになったはずだ。

勿論、彼の大横綱としてのたたずまい、風格は認めるところではあるが、いかんせん大向こう受けする"華"が無いような気がする。

おそらく、白鵬にスペクタクルアスリートとしての"華"が出てくるには、若き日本人ライバルの登場が不可欠であろう。その時、彼は最高の輝きを見せるに違い。

しかし、残念なことに、白鵬のライバル足るべき若き日本人関取の人材が不足している。しかも、かつては、「相撲どころ」といわれた、北海道、東北、そして関東の人材が不在なのは気になるところだ。

元々、相撲とは、出身地方の個性を都に集めて、お上の前で闘わせるという、いわゆる「まつろわぬ」民の服属儀式的なところがあった。

まつろわぬ民の本場が、かつての「蝦夷の地」北海道、東北、関東から、海外に移ってしまったのだろうか。ここに若干の寂しさを感じざるを得ない。

そういえば、自分の記憶の中のかつての横綱達を思い出してみると、大鵬(北海道)、栃ノ海(青森県)、北の富士(北海道)、北の湖(北海道)、2代目若乃花(青森県)、隆の里(青森県)、千代の富士(北海道)、北勝海(北海道)、大乃国(北海道)、旭富士(青森県)等、北海道と青森県出身の力士が目立つ。しかし、現在は、北海道出身の関取は不在。青森県出身者は数は多いものの、安美錦(粋な浮世雲)、武州山(くたびれた巨漢)、岩木山(顔面絶壁:左画像)、高見盛(永遠の少年)、将司(天下の塩巻き男)、海鵬(眉毛横綱)と、強いというよりもどちらかといえば個性派、それこそ「まつろわぬ」風貌が多いのは僕の好みだが、ほとんどが30歳代なのだ。ちなみに、括弧内は、それらの青森出身関取達に愛情を込めて僕が勝手につけたニックネームである。



さて、それはともかく、若い関東以東の関取の不在に関して、下記のように表にしてみると残酷にも、さらにわかりやすい。両方(関東以東、20代)の条件を満たしているのが幕内上位では稀勢の里しかいないのだ。さらに、以前、「何故、日本人横綱は出なくなってしまったのか」というエントリーで、「高校を卒業しているようじゃ横綱にはなれない」というような事を、今までの横綱の学歴を踏まえて書いたが、そういった観点からも、茨城県出身、まだ24歳、そして中卒の稀勢の里がいかに貴重な存在かわかってもらえるかと思う。



































































































































































































































































































































番付 四股名 年齢 部屋名 出身地 学歴 20代 関東以東
横綱 朝青龍 29

高砂部屋 モンゴル 高校中退

 
横綱 白鵬 24

宮城野部屋 モンゴル 中学卒

 
大関 琴欧洲 26

佐渡ヶ嶽部屋 ブルガリア 高校卒

 
大関 琴光喜 33

佐渡ヶ嶽部屋 愛知県 大学卒

   
大関 魁皇 37

友綱部屋 福岡県 中学卒

   
大関 日馬富士 25

伊勢ヶ濱部屋 モンゴル 中学卒

 
大関 千代大海 33

九重部屋 大分県 中学卒

   
関脇 把瑠都 25

尾上部屋 エストニア 高校卒

 
関脇 鶴竜 24

井筒部屋 モンゴル 中学卒

 
小結 稀勢の里 24

鳴戸部屋 茨城県 中学卒

小結 豪栄道 23

境川部屋 大阪府 高校卒

   
前頭1枚目 豪風 30

尾車部屋 秋田県 大学卒

 
前頭1枚目 安美錦 31

伊勢ヶ濱部屋 青森県 高校卒

 
前頭2枚目 琴奨菊 25

佐渡ヶ嶽部屋 福岡県 高校卒

 
前頭2枚目 時天空 30

時津風部屋 モンゴル 大学卒

   
前頭3枚目 栃煌山 22

春日野部屋 高知県 高校卒

 
前頭3枚目 武州山 33

武蔵川部屋 青森県 大学卒

 
前頭4枚目 北勝力 32

八角部屋 栃木県 中学卒

 
前頭4枚目 岩木山 33

境川部屋 青森県 大学卒

 
前頭5枚目 豊ノ島 26

時津風部屋 高知県 高校卒

 
前頭5枚目 垣添 31

武蔵川部屋 大分県 中学卒

 




さて、今場所に話を戻そう。先ほども書いたが、白鵬が14日目で優勝を決めてしまった今場所、正直言って盛り上がりには欠けた。僕の好きな把瑠都や日馬富士も14日目でようやく勝ち越すという体たらく、期待の稀勢の里をはじめ、把瑠都以外の関脇、小結は全員負け越してしまった。さらに、千代大海は早々と休場してしまったし、今場所、幕の内在位の記録を作った大関の魁皇もまだ勝ち越せていない。

ようするに上位で元気だったのは白鵬だけという状況では面白くなりようがないではないか。

これは白鵬を褒める反面、他の関取のふがいなさを指摘すべきなのかもしれない。

ただ、僕的に、唯一の今場所の収穫は、栃の心の大勝ちだろう。千秋楽を待たずに12勝もしているのだ。しかも、昨日(14日目)は、あの翔天狼を怪力で高々と吊り上げての勝利。朝青龍、把瑠都につぐ「つり技」系関取の誕生かと僕の胸を躍らせてくれた。

彼がいわゆる相撲を覚えてくれば、さらに上位での活躍が期待できる。くれぐれも露鵬や白露山のようにはなってほしくない、絶対に。



最後の話題はやはりこの人、山本山だ。今場所は大負けの上、14日目にしてインフルエンザで休場してしまった。250Kgの巨体が発熱で唸っている姿を想像するのは、若干ユーモラスではあるが、そんな事を言っている場合ではない。来場所は十両からの出直しだ。埼玉県出身でまだ25歳、僕の期待は大きい。



まさむね

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