10月末日から1日ずれたビートルズ「ワルツベスト10」
正直、ここで告白しなければならない。
実は、ここ数日、通勤時間のBGMはビートルズではなく、w-inds.だった。
ビートルズに関して言えば、9月9日にリマスター版が発売されて、自分自身もその「お祭り」に向けて、通常よりもかなり入れ込んでしまった反動か、10月の中旬以降、心の隙間が出来てしまい、ビートルズから離れてしまっていたのは事実であった。
w-inds.は音楽的に言えば、ビートルズからの直接的な影響はそれほど見られない。
メンバーの緒方龍一が、札幌のキャバーン倶楽部のマスターをする程のビートルズマニアである父親の影響か、ビートルズファンを自認しているが、彼等が作り出す音楽は、むしろ80年代のダンスチューンの流れの延長にあると思う。
しかし、彼等の音楽の中にも、例えば、「Rain is fallin'」の突然の転調や、「Love is the greatest thing」のこもった音からのフェードインなどの実験的な精神にビートルズの影響があるのでは?と、僕は個人的に思っている。
さて、w-inds.はともかく、毎月末のビートルズベスト10だ。
今月は、「ワルツ」特集にしよう。
一曲まるまるワルツではなくても、部分的ワルツという、いわゆる「変な曲」というのもビートルズのお家芸である。
厳密に言えば、三拍子ではなく、6/8拍子とかなのかもしれないが、素人なのでそのあたりは許してね。
さて、特に後期のジョン・レノンは意識的にリズムを「いじった」。
これは有名なエピソードであるが、1968年2月、ジョンは「Hey Bulldog」のレコーディングの際に、ヨーコがスタジオに遊びに来ていて、彼女の前でストレートなリズムのこの曲を演奏するのが気まずかったという回想をしている。
つまり、後期のジョンの楽曲に目立つ変則リズムはヨーコからの視線を意識しての前衛的な意匠だったとも言えるのではないだろうか。
話が逸れてしまったが、以下が、ビートルズのワルツベスト10である。
1.ノルウェイの森
2.Happiness Is A Warm Gun
3.悲しみをぶっ飛ばせ
4.I Me Mine
5.Lucy in the Sky with Diamonds
6.Baby's in Black
7.She is Leaving Home
8.Being For The Benefit of Mr Kite
9.I Want You
10.Good Night
1位の「ノルウェイの森」は僕的には文句なくナンバーワンだ。村上春樹の同名小説の来年の映画化も楽しみだ。
2位の「Happiness Is A Warm Gun」は、以下の部分がワルツだ。
I need a fix 'cause I'm going down
Down to the bits that I left uptown
I need a fix cause I'm going down
Mother Superior jumped the gun
Mother Superior jumped the gun
しかし、その次のフェーズで突然また四拍子に戻る。ジョンレノンの転調ロックの頂点というべき名曲だ。
しかし、中山康樹氏は「これはビートルズ」でこう語る。
いまでは曲のタイトルさえ笑いを誘う。それはジョークが効いていることによる”笑い”ではなく、あまりのバカらしさゆえにだ。かつてはそうではなかったが、これぞ風化がもたらした残酷な現実だ。だが最大の原因は曲の弱さにある。もともと異なる三曲をつないで一曲にしたらしいが、背景はどうあれ、今日の耳にはあまりに稚拙に響く。この人は一体、何を言っているのだろうか。
さて、3位の「悲しみをぶっ飛ばせ」はビートルズが始めて外注のミュージシャン(フルート奏者)を使った曲として歴史に残っている。映画の中でのシーンも印象深い。
映画といえば、4位の「I Me Mine」の「Let It Be」でのシーンも有名だ。ジョンとヨーコがこの曲で踊るのだ。ただ、作者のジョージにとっては複雑な想いがあったかもしれない。演奏にはジョンは参加していないからだ。
5位の「Lucy in the Sky with Diamonds」もAメロはワルツだ。
6位の「Baby's in Black」は日本公演でも演奏。ポールが曲紹介の時に確かに「ワルツ」って言っていた。その時の演奏はともかく、絵的に「ヘフナーの座りが悪かった」印象だ。
7位は、ポールとしてはめずらしいワルツである。デコレイティブなハープ、アッパーミドルクラス(中の上流階級)の不自由というテーマにはワルツはお似合いか。
8位の「Being For The Benefit of Mr Kite」は、「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」のアルバム上、偶然、7位の「She is Leaving Home」の次の曲、馬のヘンリーがワルツを踊るのだ。
ヨーコとの関係がジョンの「ワルツ曲」に深い影響を与えているというのは僕の仮説であるが、こ8位のジョンのストレートすぎるラブブルース「I Want You」も長いエンディングパーツはワルツだ。
そして、10位は、ジョンからリンゴへの贈答曲「Good Night」。「Love」におけるこの曲の入り方は感動的だ。
これらの曲の他には、ワルツ曲としては「Yer Blues」や「Long Long Long」「Dig a Pony」等もあった。
ワルツ曲って、意外にあるのだ。
まさむね
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