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2009年12月30日 (水)

「容疑者Xの献身」はミステリーに囲まれた人情話だった

久しぶりに映画を観た。

といっても、フジテレビでやっていた「容疑者Xの献身」だ。



ここからは、ちょっと映画批判になってしまうので、この映画にとっても感動したという方は読まないほうがいいかも...



僕は最近、日本の映像作品を観るとき、ドラマでも映画でも、PVでも海外向けに輸出出来るかどうかを基準で観るようにしている。つまり、出演している俳優や監督が全く無名な土地で上映(放映)された時に、普遍的に受け入れられるだろうかを想像して観るということだ。

その意味で、この「容疑者Xの献身」はひどい作品だった。

おそらく、この映画の大きな売りに、福山雅治と柴咲コウが映画で競演ということがあったと思うが、実は、この映画、ストーリー的に、この二人が出る必要が全く無いのだ。



人生に望みを失った男が、自殺の直前で隣に引っ越してきた美女親子に惚れて、彼女達が犯した犯罪を自分でかぶろうとするが、警察で連行されている途中で、真犯人である母親が泣きながら自首するという話。

そこには、婦人警官である柴咲コウも、事件の謎解きをする数学者の福山雅治も本質的にはからんでいない。

柴咲は最初から最後までオロオロするだけ、福山は事件を解説する役というだけの話なのだ。



ようするに、この映画は本質的には人情話であり、知的な謎解きが全く無い。ただ、神的に頭のいい数学者が、全てお見通しだったという話なのだ。

残念ながら、日本でだけ通用する類の映像ということだ、多分。



これが配収50億円(Wikiによる)というほうが、この話よりもよっぽどミステリーだ。

さらに、テレビ放映の提供にPlayStationの名前が連なっているにもかかわらず、先ほどの美女親子が部屋でWiiを楽しむ姿が映画に登場、これもミステリーだ。



さらにさらに、この映画が他の人はどのように評価しているのかと、Yahoo映画のこの映画評を読んでみたら、次のような評論...

(前略)もはや死語と化した標語“めざせハリウッド”の下、「映画」を冒涜し続けてきた中枢にあって、アンチな精神を感じさせ、まるでアスファルトに咲いた一輪の花のよう。「実に面白い」本作の出現をきっかけに旧体制をぶっ壊し、“脱・TVドラマに毛の生えた映画のようなもの”へと舵を切ることで、お台場の本丸を海に沈めた「252/生存者あり」への回答にしてほしい。




これは清水節さんという方が書いた文章なのだが、僕には全く理解が出来なかった。

この方は、一体、何を言いたいのだろう。

この評論もミステリーだ。



さらにさらにさらに、原作は、第6回本格ミステリ大賞、第134回直木賞受賞作。また、国内の主要ミステリランキングである『本格ミステリベスト10 2006年版』『このミステリーがすごい!2006』『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』においてそれぞれ1位を獲得(Wikiより)という。



えっこれが...

これまたミステリアスな現実だ。



まさむね

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