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2010年2月11日 (木)

僕らの世代はそろそろ大きな諦念をすべきなのだろうか

今年に入って若干景気が回復して来ているようだ。

勿論、まだまだ往年の勢いはない。おそらく、微妙な上がり下がりはあるものの、このままの状態が続いていくような気がする。



管財務大臣の話によると、民主党は第三の道という経済政策を行なおうとしているらしい。

第一の道というのは、90年代に自民党が行って失敗した、財政出動=公共事業の道だ。これは、カンフル剤のようなもので、その時は、土建屋に金が回り、仕事が創出され、一時は景気が回復したように見えるが、後に残るには、財政赤字と、ハコモノだ。

第二の道というは、00年代に小泉政権で行った規制緩和の道だ。これは、民主党の、そして最近の自民党の言い分によると格差を生み出したという。僕は、格差というのは、戦後ずっと拡大していたのだが、先に述べたいわゆる第一の道によって隠されてきただけだと思っているので、規制緩和が悪いとは思っていないが、自民党を倒して政権をとった今の民主党にとっては、このようなイデオロギーがどうしても捨てることが出来ないのだろう。その昔、岡田さんが代表の時には、自民党の規制緩和、いわゆる「改革」が生ゆるいと言っていたような気がするが、あれは何だったのだろう。

そして、管大臣は、上記の2つの道の失敗を踏まえて、第三の道を提唱する。それが、直接、一般庶民にお金をばら撒いて需要を喚起するという道だ。子供手当てとか、農家への個別補償、住宅減税、高速道路の無料化とかの政策ということなのだろうが、都会に住んでいる一人暮らしのサラリーマンなどには何のメリットも感じない政策に思える。やっぱり、民主党も、自民党同様に、都会のオタクよりも田舎のヤンキーに目が向いているのだろう。

さて、このいわゆる第三の道は、大局的に見て、成功するのだろうか。子供服産業やパチンコ業界などの一部の産業は潤うだろうが、それはマイナーな潤いにすぎないような気がする。多くのバラマキ金は貯金されるだろうからだ。当たり前の話だ。



僕らが現在、消費をあまりせずに、経済的に不況なのは、第一に将来が不安で金を使っている場合ではないと思っているから、そして第二に欲しいものがないと思っているからである。

おそらく、そのために政府がすべきなのは財政赤字をどうやって減らしていくのかという道筋をたてて、国民を安心させることだ。そのためには、消費税アップは避けられないだろうし、老人福祉、健康医療も見直さなければならないだろう。これも、当たり前の話だ。

そして、次には成長戦略だ。一時、構造改革と言って、規制緩和が進みかけた時期があったが、結局はその流れはホリエモンや村上ファンドへのバッシングで消えてしまい、既得権益者がしぶとく生き延びる結果となってしまった。郵政の民営化も逆に官営に逆戻りしようとしている。

政府がすべきなのは、人々にとって魅力的な商品を作れるような環境を作ることであって、これから成長してほしい産業に金をつぎ込むことではない。環境方面への支援を考えているようだが、政府が、金銭的援助をすることによって、産業というのは本当に育成できるのだろうか。ただ、補助金をもらいたい輩が集まってくるだけではないのか。それよりも、衰退していく産業から、成長していく産業へと人材がスムーズに移動出来るような社会政策をとるべきなのではないだろうか。

昨年末、自民党は苦し紛れとはいえ、「よけいなことをしない政府」というコンセプトを出したが、それは、それで正しいのだ。雇用調整金などを出して、税金で社内失業を支援していてどうなるのだろうか。やはり、雇用の流動性を高めるしか、日本の産業を再生する道はないのだ。

しかし、僕ら中年にとって最大の問題点は、理屈ではこのように考えながら、実際には既得権益者となってしまっている我が身である。新しい産業に移って、新しいことなど、どのようにしたらいいのだろうか。残念ながら僕らには、経済力も発想力も、勇気もないのが現状である。



日本のためを考えるのなら、あるところで僕らの世代は大きな諦念をすべきなのかもしれない。そして、その時期は今なのかもしれない。



まさむね

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