あべ静江と秋元順子の二人旅に見えた残酷な実力差
先週の土曜日は久しぶりに土曜スペシャル「この秋オススメ!2010年ニューオープンの宿」というダラダラとした旅番組を見た。
ちょっと前に、嵐の番組にゲストで出演したマツコ・デラックスが好きな番組として「いい旅・夢気分」を上げて、旅番組の醍醐味として、一緒に行くゲスト同士の「本当の」仲の悪さを深ヨミながら見る楽しみを語っていたが、僕もそういった邪推は大好きだ。
その意味で、先日の土曜スペシャルの中で邪推マニア垂涎の組み合わせがあべ静江と秋元順子の二人組みであった。
思えば、あべ静江は、1951年生まれの1973年デビュー、芸能人が一番輝いていた時代の大スターである。僕も子供の頃、彼女の「みずいろの手紙」を口づさんだものである。一方、秋元順子、生まれは1947年生まれとあべ静江よりも年配でありながら、芸能界デビューはつい最近である。
旬というには無理があるものの近年は明らかに、あべ静江をしのぐ露出である。芸能界のデビュー年度では圧倒的にあべに軍配が上がるが、実年齢、最近の活躍では秋元が勝っている。いわゆる「格」が明確ではないこの二人の各場面での立ち位置を見計らうというのが楽しみだ。
拙書「家紋主義宣言」でも書かせていただいたが、「格」がフィックスしていない二人の競演(=争い)は古くは平安時代の「源氏物語」の六条御息所と葵上の車争い以来の邪推マニアの興味の的(まと)なのである。
さて、記憶に沿って展開を追っていこう。二人は箱根の強羅温泉へ向かう。箱根という場所が微妙にセコく、テレビ東京らしくていい。まずは二人はケーブルカーに乗ろうとするが、出発まで10分間ある。ここでまず先輩風を吹かせたのがあべだ。本心、その場で待っていたかった(「時間がない」と何度も小声で口ずさむ)秋元を先導して、みやげ物屋へ。ソフトクリームをほお張る。しかたなく付き合う秋元。しかし、街場慣れしている秋元もここでただあべに従うわけにも行かず、Tシャツの購入を提案。結局、あべは白、秋元は黒の同柄のTシャツを購入し、そのまま流れ込むようにケーブルカーへ。
カメラはホームに置き去りと言うわざとらしい演出を残して...
さて、二人は旅館へ、そしてゲストルームへと足を進める。どちらかと言えば、傍若無人な秋元が徐々に主導権を握るように見えたのは気のせいだろうか。そして二人は旅館内のカラオケルームへ。あべがドアを開け、秋元が入るという構図はここで明らかに秋元があべを制した瞬間。そして、まずマイクを握るのが秋元だ。さすがに上手だ。
さぁ、追い込まれたあべがどんな歌を披露するのだろうか。視聴者の悪意ある視線があべにそそがれる。
そして、マイクを手にしたあべは北島三郎を選曲、しかしこれがなかなか上手い...ように聴こえたが、この曲の感想を言う段になって秋元は絶句、思わず、笑い出してしまったのである。
つまりここで現場でしか分らなかった二人の暗黙の実力差を、秋元の絶句が物語っていた...と僕は感じた。
最近、テレビを見なくなったという御仁も多いが、こうしてみるとテレビも捨てたものではない見世物である。
まさむね
« 『「地域再生の罠」-なぜ市民と地方は豊かになれないのか?-』という罠 | トップページ | リベラルな小沢一郎のポピュリズムに関して »
「芸能」カテゴリの記事
- 橘紋 -桜とは好対象、生命力と長寿の象徴- 井伊直弼、小和田雅子、北島康介...(2011.12.23)
- おばさん顔について(1999.12.14)
- ノックは無用?(1999.12.22)
- 人を唖然とさせてこそのダンディズム(2000.01.07)
- 唖然とすること(2000.01.10)
この記事へのコメントは終了しました。
« 『「地域再生の罠」-なぜ市民と地方は豊かになれないのか?-』という罠 | トップページ | リベラルな小沢一郎のポピュリズムに関して »
コメント