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2010年10月12日 (火)

政治とはその国の民度以上のものにはならない

本日の時事通信が以下を伝えている。

北沢俊美防衛相は11日午前(日本時間同)、ハノイのホテルでゲーツ米国防長官と約30分間会談し、沖縄県・尖閣諸島を含む島嶼(とうしょ)防衛に関し、「日米で共同してしっかり対応する」方針で一致した。


例の尖閣列島での中国漁船による衝突事件の顛末がこれでよかったのだろうか。



それにしても、今回の事件に対する民主党政権の対応は、「状況を見ながら」といえば聞こえはいいが、ようするに場当たり的なものだった。

最近、シェアを拡大しつつある新興のA社の出入り業者であるX社。

今後の会社の成長を考えたら、今までの取引先の老舗にB社よりも新興のA社に対する取引を大事にしたいX社。

しかし、このA社、勢いはあるが、下請けに対してご無体な要求をすることでも知られている。

便利だからといって、いつも、X社の駐車場を勝手に使っている。

X社ではいつもそれを苦々しく思ってはいたが、下請けという立場から黙認してきた。



そんなX社に新しい社長がやってきた。まもなく、その駐車場の件を知らされる。

以前の経緯も知らされていないこの社長、

「そんな話はおかしいから、すぐに出て行ってもらえ!」

勢いのいいX社の新しい社長は警察に被害届けをだしてしまった。

「俺達は悪いことはしていない。当たり前の話だ。」鼻息の荒いX社社長。



それに対して、A社は、「いきなりなんだ!」ということになり、X社に対してファックスで、今後の取引縮小を伝えてきた。

驚いたX社社長は、警察の被害届けを取り下げ、A社の担当者に何度も謝罪をさせるが、A社は怒ったまま態度を変えようとしない。

困ったX社社長は、業界の会合で会った料亭の廊下でA社の社長に直接謝罪。とりあえず、事なきを得て、ホッとした。



しかし、こんな状況は不安だと、今後の成長はそれほど見込めないが老舗のB社との業務提携を強化を発表した...


しかし、よく考えても見れば、この対応は僕達、普通の日本人が日常的に行っている作法にも近い。

それゆえに、僕らをさらに落ち込ませるのだ。

これは素直に反省すべきことかもしれないが、僕らは民主党政権に期待しすぎたのかもしれない。昔から、政治とはその国の民度以上のものにはならないと言われているが、当たり前の話なのだ。なぜならば僕らの「民度」が彼らを選んだのだから...



かつて、政治家という人々は我々のあずかり知れない情報を手にして、深謀遠慮の末に最善の手をつくす人というイメージが少しはあった。しかし、民主党政権を見ているとそれは明らかに、何も知らない素人が無邪気に動いているようにしか見えない。

これが、彼らの言うところの政治主導となのだとすれば、日本の民主主義が成熟するためには、一旦は、こうした愚かな経験をつまないといけないということなのだろうか。今回の事件でいいことがあったとすれば、日本人に対して、国権とはなにか、国益とはなにか、国土とはなにか、いうことを少しでも考えさせてくれたことかもしれない。



それにしても、既得権益者による「悪いようにはしない」密室政治と危なっかしいがわかりやすい無邪気な素人政治。

僕らは次の選挙でどちらを選んだらいいのだろうか。



まさむね

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