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2010年11月18日 (木)

韓国の家紋と都営地下鉄線の家紋スタンプラリー

最近、家紋に関して気になる動きが二つあった。



一つ目は、東亜日報に掲載された[オピニオン]宗家の紋章という記事だ。

これによると、「韓国で、宗家が最も多い、慶尚北道(キョンサンプクト)が、道内の宗家に家を象徴する紋章を作り、関心を集めている。」とのこと。つまり、最近になって、韓国でもそれぞれの家が家紋というアイテムを作り始めたということである。現在、いくつかが公開されている(左絵)、残念ながら日本の家紋のデザインには遠く及ばないように見えるのは気のせいだろうか。

そうは言っても、日本にしても、家紋の初期、例えば鎌倉時代の家紋を見ると洗練されているとは言えないものも多い。例えば、頼朝から賜ったという畠山氏の村濃紋(右図)という家紋はその時期を代表する家紋デザインではあるが、いかにも古風だ。韓国の新しい家紋を見たとき、とっさに、その村濃紋を思い出してしまった。



しかし、僕は韓国に家紋が発生し、それが定着していければ、それはそれでいいことだと思っている。

逆に韓国でも日本の家紋が認知されるきっかけになる可能性があるからだ。

今後、日本民族の草の根的デザインの結晶である家紋も参考にしていただき、韓国人が家紋をどのように韓国風に発展させていくのか、楽しみですらある。

それにしても、この「[オピニオン]宗家の紋章」という記事は大雑把というか、間違いあるいは誤解が多いのはちょっといただけない。

例えば、以下、日本の家紋に関する説明だが、佐竹義宣は、戦国時代の武将で、頼朝の時代とは完全にずれている。また、ひまわり紋とは一体何を指しているのだろうか。もしかしたら、あるのかもしれないが、僕は知らない。十六八重菊紋あるいは九曜紋の見間違いか...

ちなみに、林檎やひまわりなど、家紋にあまりなっていない植物の多くは、日本にやってくるのが遅かった植物である。

武士の文化が発達した日本でも、紋章が花咲いた。

明治天皇が、王権強化に貢献した西郷隆盛に下賜した菊の紋章、鎌倉幕府を開いた源頼朝が大名の佐竹義宣に与えた扇の紋章が有名だ。

日本の紋章には、桐、ひまわり、藤などの植物が多く使われた。


さて、二つ目は、都営地下鉄線で始まった小冊子「龍馬と幕末」と連動した家紋スタンプラリーという企画だ。これは幕末に活躍した人々にゆかりの土地に近い都営地下鉄線の駅でその人々の家紋のスタンプを押下できるという面白い企画だ。

例えば、以下のような感じである。









































































































近藤勇 丸に三つ引両紋 牛込柳町駅
大久保一翁 上り藤に大文字紋 牛込神楽坂駅
吉田松陰 五葉木瓜に卍紋 新御徒町駅
岩崎弥太郎 重ね三階菱紋 上野御徒町駅
勝海舟 丸に剣花菱紋 蔵前駅
徳川家茂 三つ葉葵紋 両国駅
坂本龍馬 組み合い角に桔梗紋 築地市場駅
山内容堂 細三つ葉柏紋 汐留駅
西郷隆盛 抱き菊の葉に菊紋 赤羽橋駅
桂小五郎 葉菊菱紋 六本木駅







こうして、徐々にでも、家紋や歴史上の人物達が親しみやすいものになっていくというのは家紋主義者の僕としてもうれしい。

戦後、どちらかといえば、学校教育は古き良き日本文化を教えてこなかった。

それが今、こうして少しづつではあるが、こうしたものが人々の関心を集め始めている。

しかも、変なイデオロギーが後ろに控えているとも思えない。

たんに一人一人の足と好奇心で、東京の街を電車で回ろうという話だからだ。

決して派手ではないささやかなエンターテイメントではあるが、素晴らしい試みだと僕は思う。



まさむね

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コメント

> しかし、僕は韓国に家紋が発生し、それが定着していければ、それはそれでいいことだと
> 思っている。

それはどうだろうか?
韓国の持つ家紋が欧州型の一部特権階級のものというのであれば
無い方がましではないか
彼らの社会を見る限り好んで階級社会を助長する事になると思うが

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