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2011年1月26日 (水)

たまにはTPPのことなんかも考えてみた

菅首相の「平成の開国」というキャッチフレーズとともに、最近、大いに盛り上がっているのが、TPP(環太平洋パートナーシップ)の論議である。

アメリカをはじめ、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、シンガポール、ブルネイなどの国が参加した協定で、貿易における関税を無くそうという動きらしい。

新聞の記事を読むと、菅首相はTPP参加を機に農業分野を活性化し、国際競争力を目指すのだそうだ。

おそらく、国内における政治力不足を、いわゆる外圧頼みで補おうということか。具体的な戦略というよりも、なんとかなるだろう感一杯の危なっかしさが気になる。



勿論、僕もこれからの日本が世界に互していくとしたら、国内規制を緩和させ、既得権益を壊していかなければならないことは分る。

日本の本来の良さは、農耕民族的な勤勉さであるとともに、海洋民族的な果敢さであるからだ。

例えば、古事記において、天孫降臨したニニギノミコトから神武天皇までの数代に渡って、トヨタマヒメやタマヨリヒメといった海の向こうの母系の血を入れたという神話を残しているのが何よりの証拠である。



しかし、そんなロマンチックな話はともかく、現実的に今の日本はデフレである。商品の価格がどんどん下がる、しかし、売れない。

そんな状況の中で、さらに海外の安い製品を輸入することが日本にとっていいことなのだろうか。

また、今回のTPPでは、商品だけではなく、労働力の移動、あるいは海外投資の促進に関してもかなりの規制緩和をするという話である。

さらに、工業製品が輸出しやすくなると言ったとしても、すでに日本の大手メーカーの現地生産は進んでいる。しかも円高で、関税撤廃の恩恵も吹き飛んでしまいかねない。

農業の話どころか、その他の産業、治安、日本の伝統文化、すべてにわたって「大丈夫か日本?」と思わざるを得ない。



おそらく、今こそ、日本人は、自分達にとって何が大事で、何を守らなければならないのかを真剣に考えなければならない時期なのだと思う。

アメリカの戦略に乗せられて、経済的豊かさを追求するという価値観を維持していくべきなのか、それとも、ここで立ち止まって、本来の自分の幸福とは何なのかということを考え直すべきなのか。

答えは明白なような気がする。



これは巷のうわさにすぎないが、菅首相はその権力を維持するためだけに(かつての小泉首相を見習って)、アメリカの言うことを唯々諾々と承認し、進めているのだという。

そして、どちらかといえば反米の小沢一郎が、反米ゆえに、わけのわからない強制起を訴され、政治的に抹殺されたのもアメリカが陰で操るマスコミ、検察、財界などの陰謀という話もよく聞く。真偽はわからないが、もしそうだとしたら、TPPとは結局何のためにやるのか、政治とカネの問題の本質とは何なのか、僕らはその胡散臭さを嗅ぎ取る位の感性は持ちたいものだ。



まさむね

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