保守とは名ばかりの近代主義者・石原慎太郎の再選か
石原慎太郎が東京都知事に再選された。4期目だという。
僕は正直言って、残念だった。彼は、一見、保守派のような顔をしているが実は、ただの近代主義者だ。原発を推進するというだけでそれは明らかだ。
例えば、生前、三島由紀夫は石原慎太郎のことを「石原氏はすべて知的なものに対する侮蔑の時代をひらいた」と評していた。
花見に対して自粛させるというのも、保守派としてはどうかと思う。僕は花見こそ、日本古来の弔いの儀式だと思っているからだ。
おそらく、今回の選挙は3.11の東日本大震災の影響を受けた。連日のニュースは震災一色になり、都知事選挙は二の次になってしまった。
そうなると現職は強い。
また、対抗馬となるであろうといわれた東国原氏は、出馬の時期が遅れたのが響いた。本気で都知事になろうと思ったのであれば、真っ先に出馬表明をすべきだったのだ。
ところが、出る、出ないという噂の陰で沈黙を守り、松沢さんが出そうになると、ようやく手を上げた。勝てると思ったからだ。
勿論、それは戦術としては正しいのだろうが、印象としては「あざとさ」だけを残してしまった。
今まで、ずっと好印象で通してきただけに、この躓きは、彼にとっても残念だろう。ただ、彼にはまだまだ未来がある、精進して再起してほしい。
さて、石原さんの話である。
僕は彼の政治家としてのこの4年の実績に関しては全く評価していなかった。
東京オリンピックなど誰もやりたくないものを強引に牽引しようとして失敗した。
魚河岸の築地から豊洲への移転も思うように出来ていない。環境に対してさらにシビアな目を持つようになった都民はこれ以上、この問題で石原さんを支持するとは思えない状況だ。
さらに、一番問題だったのは、新銀行東京問題だ。これは結局は潤沢な都民からの税金を自民党系の都議会議員を通して、中小企業家に融資、そのほとんどをこげつかせた。ようするに最悪の利権政治をしてしまったのだ。それは彼がずっと批判してきたいわゆる田中派の手口をさらに醜悪にしたものであった。
しかし、誰も責任を取らない、とりあえず、誰の財布も傷まなかったからだ。
こんなメチャクチャの話であるが、マスコミもそれほど大きく報じなかったためか、都民も(勿論、僕も)スルーしてしまったのである。
まぁ、しかたがない。
何も変わらなかった。
それにしても、子供っぽいことを言わせてもらえるのなら、投票というのもでしか、僕らがこの国を返られないという状況はなんとかならないものか。
まさむね
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