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2011年11月 2日 (水)

昨日に続いて、今日もTPPについて

昨日に続いて、今日もTPPについて書きたいと思います。



TPPにおける問題点は、実はその問題点自体が明らかになっていないというところにあると思います。

交渉に前向きと言われている人々の意見をうかがっても、とにかく参加しないとわからないという一点張りです。



ただ、アメリカの意図は様々な状況を考えると明白です。オバマ大統領の現在の最大の課題は、国内格差の問題と失業問題です。

そのため日本を輸出のターゲットにしたいのは明白ではないですか。

さらに、問題は、アメリカの農作物が大量に日本に入ってくるということ以上に、アメリカの仕組み(保険、司法やサービス)も入ってくるということです。

幕末の開国以来の日本の歴史は、独自の共同体の解体の歴史でした。先の戦争に負け、東西冷戦構造が崩れ、金融ビックバンがあって、ゼロ年代になって小泉政権となり、その流れは加速しました。

勿論、それによって多くの国民は「自由」や「便利」を手にしました。それはそれで素晴らしいことですが、一方で、帰るべき心のよりどころ(故郷)を失くした人々を大量に生み出したのも事実です。そして、僕ら日本人はそういった心のよりどころを消費によって補ってきたのです。



さらに、TPPに参加するということはそういった、消費依存体質をこれからも続けましょうという宣言であり、それは比ゆ的な言い方ですが、「日本人」ではなく、「経済人」として生きていきましょうということに他ならないと僕は思います。

本当にそれで、僕らは子孫に対して幸せを約束することが出来るのでしょうか。現在がまさにその曲がり角に来ているのです。



TPPに賛成されている方の話を聞いたのですが、農業が崩壊されるという意見に対しては、「農業問題とTPPは別、農業改革はそれはそれでしなければならない」(福山哲郎元官房副長官)と言っています。また、デフレの時にTPPをするのはデフレを加速することに他ならないという意見に対しては、「デフレ対策とTPPは別、デフレ対策はそれでそれでしなければならない」(竹中平蔵元総務大臣)と言っていました。



だったら、なんで今までそういった対策が出来なかったの?だったら、早くやってよ!というのが素朴な感想です。

やるべきことがわかっていながら、今まで、それすらまともに出来なかった人たちに、関税自由化やサービスの平準化という激流の中で、そういった対策が出来るとは全く思いません。

だってTPPで一旦、様々な条件を受け入れたら、それを撤回することはさらに難しいことは間違いないからです。



そう考えるとTPPに僕らが反対する大きな要因の一つには政府に対する不審感があるということがわかります。



やっぱり、国民と政府の関係そのものから考え直して、作り変えなくてはならないのでしょうか。

例えば、社会学者の宮台真司先生が、ずっと言われているように、「任せてブーたれる政治から、引き受ける政治」にしないといけないのでしょうね。



確か、民主党の公約もそうだったはずですが、そのポリシーはどこへ行ってしまったのでしょうか。

おそらく、それは、他に問題が多すぎて、そう言っていたことすら忘れてしまっていた僕らの問題でもあるのでしょうね。



まさむね

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