エリートを公務員ではなく起業家にするためにBIは必要なのだ
先ごろ、橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が、次期衆議院議員選挙公約のたたき台として「船中八策」を公開して、よくも悪くも、話題になっているようだ。
以前、僕は橋下さんが目指すところとして、物事が遅々として進まない談合民主主義から、普通の民主主義が機能するための制度作りではないかというようなことを述べたが、それは今でも変っていない。
この「船中八策」は、首相公選制にしても参議院廃止にしても、物事を決めるプロセスの簡素化に重点があるように思える。
さて、それはともかく、僕が、橋下さんの意見で特に注目したいのが、「ベーシックインカム(BI※)」についての発言である。
橋下さんは御自身のTwitterで以下のように述べているのだ。
ベーシックインカムは、究極のバウチャー制度。供給者側の論理で役所の仕事を増やすのではなく、バウチャー制度によって役所の仕事を絞り込み、補助金を受ける団体をとことん失くしていくことにあります。間接経費の削除が目的です。
ベーシックインカムが成立すれば(これは不可能な政策と言われています)、年金制度、生活保護制度、失業保険制などを失くす可能性を考えることができる。それにまつわる組織が不要になるのです。
つまり、橋下さんは、ベーシックインカムを、経済政策の一つ、あるいは、公平なセーフティネットの切り札としての文脈以上に、公務員制度改革として捉えているのである。
おそらく、橋下さんは、公務員の仕事をより簡略化することによって、公務員という仕事を、エリートがする仕事ではなくそうとしているというのが大きな目的ではないかのかと、僕は思っている。
つまり、現在、多くの有能な人(例えば、東大出身者)を、公務員ではなく、本当に知識や知恵を必要としている起業家や政治家、表現者などの、多少リスクがあるが、上手くいけば、その人も儲かり、社会貢献も出来そうな仕事に向かせようとしているのではないかということである。
今後、日本が世界で生きていく上では、新しい価値を創造していくことが不可欠である。それは恐らく、誰でもそう考えているだろう。
しかし、そのためには、はじめは誰にも認められなくても、お金にならなくても、くじけずにコツコツと独自の道を歩み、新しいものを作れるようなタイプの人々を社会に後ろめたくなく大量に育てる必要がある。
全ての人に最低限の保障を施すベーシックインカムはそのために必要なのである。
まさむね
※関係ないが、僕の世代だとBIというと、馬場・猪木の黄金タッグチームを思い出す。
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