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2012年7月16日 (月)

もしかしたら次の横綱は妙義龍かもしれないと思う今日この頃

名古屋場所も中日(なかび)を終え、優勝の行方はいつの間にか、そして、いつもの通り、白鵬を中心とした展開になっている。

確かに、初日の豊ノ島戦や先日の栃煌山戦など、一瞬ヒヤリとさせられる場面があったり、3日目から5日目まで連続叩き込みで勝利するなど、かつての白鵬に比べると、安定感という意味で衰えを感じさせなくもない取り口ではあるが、それでも現時点で8勝0敗。これは、「さすが!」というべきなのだろう。

そんな白鵬にピタリ並走しているのが、日馬富士である。多くの解説者も指摘されているが、今場所の日馬富士は体が一回り大きくなったように感じられる。しかもスピードは以前のままだ。確か、昨年の名古屋場所は賜杯を手にしている。彼にとって、名古屋は験のいい場所なのかもしれない。



さて、それはともかく、僕が今場所、最も注目している力士が、新小結の妙義龍である。

以前、「期待の大相撲・阪神四天王(豪栄道、栃の若、妙義龍、勢)(2011年11月22日)」というエントリーでも語ったのであるが、この力士は一目見ただけで、その身体能力の高さが感じられる。それは彼の構えの安定した低さを見れば、誰でも納得できるだろうと思う。

身長は186cmと、標準的なのだが、典型的な出尻、鳩胸体系で、特に、肩の筋肉のつき方は、力士というより、むしろプロレスラーのそれに近い。(90年代に全日本に来日していたダグ・ファーナスに近い!)

しかも、重心が低い。特に足が短いわけでもないが、若干、ガニ股のせいか、僕にはそのように見える。不思議だ。



そして何よりも、彼は独特のイイ雰囲気を持っているのだ。このあたり、言葉で説明するのは難しいのだが、古(いにしえ)の剣豪の雰囲気とでも言いいましょうか。

敢えて、妙義龍に対抗できるほどのイイ雰囲気を持っている力士を上げるとすれば、安美錦であるが、ただ、安美錦の場合は、旗本退屈男のような、その日暮らしの気楽さを漂わせているのに対して、妙義龍は宮本武蔵のような、格闘家としての、どちらかと言えば、とっつきにくい孤独感のようなものを感じさせるのである。



また、同系統の力士を歴代の名力士の中から敢えて探すならば、僕は、現NHK解説者・北の富士のライバルであったが、残念ながら夭折してしまったあの玉の海を思い出す。



ただ、こういう風に、主観的な感じばかりを述べてみてもわかりにくいので、ここで、ある数字を挙げてみたい。

以下は、ここ妙義龍が、上位に対戦する位置に上がって来てからのここ三場所の関脇以下の力士に対する勝ち負け数を現在の大関陣のそれと比較したものである。(「記録台帳 goo 大相撲」を参考させていただき、ざっと数えただけなので、若干、数え間違いがあるかもしれないこと、ご了承下さい。)

















妙義龍 琴欧洲 稀勢の里 把瑠都 琴奨菊 日馬富士 鶴竜
三月場所 6勝2敗 6勝4敗 7勝3敗 9勝1敗 7勝3敗 8勝2敗 9勝1敗
五月場所 5勝3敗 5勝5敗 7勝2敗 7勝2敗 8勝2敗 6勝3敗 6勝3敗
七月場所 4勝0敗 6勝2敗 6勝2敗 7勝1敗 7勝1敗 8勝0敗 6勝2敗
合計 15勝5敗 17勝11敗 20勝7敗 23勝4敗 22勝6敗 22勝5敗 21勝6敗
 勝率  0.75 0.61 0.74 0.85 0.78 0.81 0.77
寄押率 0.75 0.57 0.59 0.37 0.59 0.40 0.47




関脇以下の力士との対戦成績の勝率はなんと、0.75。



把瑠都、琴奨菊、日馬富士、鶴竜にはかなわないものの、琴欧洲や稀勢の里よりもいい成績である。

これは、妙義龍という力士がいかに、ミスが少ない力士であるということを現していると思う。

それは、上位には、まだ力負けしたとしても、自分と同等あるいはそれ以下の力士に対しては、かなりの好成績をおさめているということである。

また、表の一番下の欄に示したのは、その力士の決まり手のうち、寄り切り、押し出しという、いわゆる安定的な勝ち方をした寄押率(僕が勝手に命名)した目安の数字であるが、こうしてみると、妙義龍の数字が突出している。これを見ると、彼は、かなりオーソドックスに安定した力士であることもわかってくる。



そして、おそらく、この傾向は、今後はさらに磨きがかかってくるに違いない。

以前(2009年2月)、僕は、「何故、日本人横綱は出なくなってしまったのか」というエントリーで、次の横綱になる可能性が一番高いのは、把瑠都ではないかと予想したことがあったが、もしかしたら、妙義龍の方が横綱への道は近いのかもしれないとすら最近考えている。



まさむね

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コメント

 ダイセル リサーチセンターの久保田邦親博士(工学)のCCSCモデルは結構画期的だと思う。トランプエレメントを合金設計することで界面、摩擦 現象を熱力学的に制御するというものでサステナブル時代にぴったりのコンセプトだと思われる。

 それはSLD-MAGICという素形材の経済産業大臣賞をとった特殊鋼の考え方ですね。最近は大学での講義資料で人工知能の基礎を示した、材料物数学再武装が流行っているらしいですね。うちは大物のプレス金型でハイテン成形をするものづくり企業ですがなんとなく、人工知能のご利益が理解できました。

ダイセルリサーチセンターの久保田邦親博士(工学)の材料物理数学再武装は人工知能と品質工学のあいのこみたいで面白いよ。最近学術問題なんかでネット分断が社会問題視されていますよね。これは人類文明の構造的な欠陥で、それは国富論で有名な経済学者アダムスミスまでさかのぼるという。専門家はよくトレードオフを全体最適化するといいますが、その手法が眠っているのがブラックボックスの人工知能の中だけ。そのエッセンスが関数接合論だとして実際アダムスミスの神の見えざる手をエクセルで計算している。なかなか興味深い。

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