神が降臨したかのような日馬富士が全勝優勝した
日馬富士が15戦全勝で優勝。横綱をほぼ手中にした。
連続しての15勝での優勝による横綱昇進は、横綱制度が出来てから、双葉山と貴乃花に次いで三人目だという。それだけでも超凄いことだ。
確か横綱になる場所には、「神が降臨した」というような言ったのは、若乃花であったが、日馬富士のここ2場所はまさにそんな感じの強さであった。
幕の内力士の中でも、軽量の部類に入る彼に「神が降臨」したのは、勿論、抜群の運動神経や努力の賜物であろうが、元々、彼が持っているモンゴルの文化力の強さも、一因ではなかったのかと、優勝インタビューを聞いて考えさせられた。
「ご先祖様、父、母のおかげで優勝することが出来た...」
というようなことを彼は語った。現在の日本人力士の中で誰が、勝利インタビューの冒頭に「ご先祖様」という言葉を使える力士がいるだろうか。
そんなことを改めて考えたのであった。
以前に、えびすこさんがより、日馬富士が横綱になったら、「2人の不知火型横綱は戦後では初めて」というコメントをいただいていたが、まさにそんな新しい時代が到来したのである。
僕は、個人的に、不知火型の土俵入りを見るたびに、両手を広げるモンゴル相撲の儀式を思い出していたが、来場所からの2人の連続した不知火型土俵入りは、本当に楽しみだ。
その他、今場所で気になった力士。
妙義龍は、3場所連続の技能賞受賞した。確かに、彼の技術は卓越している。
まさか、3場所連続ということはないとタカをくくって、豊真将あたりが受賞するのではないかとも思ったが、受賞してみれば、やっぱり彼しか居なかったのかもしれない。
安美錦あたりも技巧派として知られているが、実は安美錦は上位には強いが意外にポカも多い。逆に、この妙義龍は、勝てる相手には確実に勝つという安定感がある。誰しもが認める次の大関候補最右翼である。
今場所、幕の内上位から三役に並んだ白人力士(阿覧、栃の心、臥牙丸、碧山、魁聖)はのきなみ、負け越してしまった。ただ、その中でも前頭筆頭で7勝したは数字的には、惜しかったが、そのうち2勝は、初日の把瑠都戦での本人も首をかしげる勝利と、不戦勝も入っているので、実質は5勝位かもしれない。
若手の中で目立ったのは舛ノ山と高安。テレビでは言及された記憶が無いが2人とも、フィリピン人と日本人とのハーフだ。舛ノ山のゴムマリのような体は愛らしい。相撲の直後は、激しく息を切らせる姿は痛々しいが、その一生懸命さが観客の心を打つ。三役あたりに定着すれば人気者になるはずだ。一方の高安の闘志も素晴らしい。その毛深さはかつての高見山をも思い出させる。
この2人の活躍を見ていると、今後、モンゴルの北方系力士に対して、再び(あの曙や武蔵丸が活躍した時代に続いて...)、南洋系力士の時代が来るかもしれないということを感じざるをえない。
日本民族は、北方系と南方系の人々が移住してきたできた民族だが、僕らは震災後になにかと落ち込んで、内向きになっている。
そんな日本を再生すべく、再度、歴史をシュミレートしようとしているのが現在の大相撲かもしれない。
やっぱり、大相撲は国技である。
まさむね
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